資産運用 オルタナティブ投資 資産形成
連載太陽光発電投資で長期安定収入を手にする秘訣【第9回】

投資シミュレーションの結果を「鵜呑み」にはできない理由

太陽光発電システム太陽電池パネル利回り

投資シミュレーションの結果を「鵜呑み」にはできない理由

前回は、「発電量の低下」を想定したシミュレーションの必要性について説明しました。今回は、投資シミュレーションの結果を「鵜呑み」にはできない理由を見ていきます。

発電量のシミュレーションを絶対視すると判断ミスも!?

シミュレーションの結果は絶対ではない――この点を、ぜひ肝に銘じてほしいと思います。あくまである前提のもとに試算した結果にすぎません。

 

現実の世の中は天候にしても何にしても複雑ですから、とてもシミュレーションのように単純には発電量を確保することはできないはずです。そこを忘れると、とんでもない誤りを犯しかねません。

 

以前、こんな驚くべき投資家に出会ったことがあります。太陽光発電投資に乗り出そうとしていたその投資家から見積もりを依頼されて応じたのですが、その結果の読み取り方が、明らかにおかしいのです。

 

見積もりでは、初期投資額に相当するシステム設置費用やメンテナンスコストをはじめとするランニングコストとともに、発電量のシミュレーションに基づき売電収入もはじき出しています。そしてそれらの金額をもとに、利回りの推移も求めます。その投資家は当然、わたしたちにとっては競合にあたる会社からも見積もりを得ていました。

 

ただし、導入する太陽電池パネルは同じメーカー製の同じ製品です。したがって普通に考えれば、設置費用の勝負です。それが安ければ初期投資額を抑えることができますから、利回りをその分、多めに確保できることになるからです。その点、わたしたちのほうがシステム設置費用は安い提案だったので、明らかに有利であると踏んでいました。

 

ところが、投資家は2つの見積もりを比べたうえで、最終的には競合会社を選んだのです。その理由は、「利回りが高かったから」です。システム設置費用は高かったのですが、売電収入の見込みも多かったため、利回りはそれなりに確保できる計算だったのです。

確定数値と見込み数値の峻別をする冷静な判断が必要

この判断、明らかにおかしいと思いませんか。売電収入の見込みが多いというのは、売電単価は確定値で変わりませんから、売電量の見込みが多いということです。確かに、私たちの見込んだ売電量より多い数値をこの競合ではシミュレーションで見込んでいました。

 

しかし、ちょっと待ってください。システムに導入する太陽電池パネルは同じメーカーの同じ製品です。それは細かいことを言えば、製品のバラツキがありますから、発電効率は異なるかもしれません。しかしそれは、ごくわずかなはずです。そうでなければ、製品として出荷できるはずがありません。

 

普通に考えれば、同じ製品を用いている以上、私たちが設置しようが競合で設置しようが、発電量は変わりようがありません。売電収入には差のつきようがありませんから、自ずとシステム設置費用の勝負になるはずです。それが、そうはならなかったのです。どのような想定の差から、同じ製品にもかかわらず発電量の見込みに差が生じることになったのかは分かりません。

 

ただこのように、発電量があくまでシミュレーションの結果に基づく見込み値であることを忘れてしまったかのような判断が下されることがある、ということはよく覚えておいていただきたいと思います。

 

これはいわば、利回りの高さに目がくらんでしまった例です。先ほど、利回り発想に立つことの重要性を指摘しましたが、それは決して利回りの数値を鵜呑みにせよ、と言っているわけではありません。

 

利回りに着目したうえで、その数値がなぜ得られているのかにまで目を向けることが不可欠です。そして、そこでは何が確定した数値で、何が見込みの数値なのか、峻別することも欠かせません。冷静で合理的な判断が求められます。

本連載は、2015年10月28日刊行の書籍『「マンション経営」よりラクで、確実に儲かる!太陽光発電投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

松田 貴道

yh株式会社 代表取締役

yh株式会社代表取締役。大手物流会社勤務ののち、 2008年にyh株式会社を創業。創業時より低価格 での太陽光発電導入を個人向けに販売し、太陽光発電 システムの普及に貢献している。2009年より財団 法人 横浜企業経営支援財団による地域貢献認定企業 に認定。

著者紹介

連載太陽光発電投資で長期安定収入を手にする秘訣

「マンション経営」よりラクで、確実に儲かる! 太陽光発電投資

「マンション経営」よりラクで、確実に儲かる! 太陽光発電投資

松田 貴道

幻冬舎メディアコンサルティング

電力会社の買い取り価格の単価がこの3年で約3割も下がり、最近では「太陽光発電はもう儲からない」と言われるようになってきました。しかし、投資額を抑えたり発電量を確保することで、投資利回りを下げずに済みます。やり方次…

Special Feature

2016.11

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

海外不動産セミナーのご案内

「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

~世界の投資家が集まるニューヨークでの不動産投資とは?  現地日系の最大手不動産会社の担当者が語るNY不動産活用術

日時 2016年12月07日(水)
講師 川上恵里子

事業投資セミナーのご案内

いま最もアツい再生可能エネルギー「風力発電」投資を学ぶフェア

~2016年度の買取価格は55円。業界の最新事情と専門会社が取り扱う投資案件の実際

日時 2016年12月07日(水)
講師 近藤陽一

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

The Latest