(※写真はイメージです/PIXTA)

稼いでも稼いでも、少しも会社にお金が残らない。バリバリと働き、いかにもやり手の経営者なのに、なかなか目に見える成果が上がらないのは、明らかな原因があるはずなのです。よくあるケースについて、中小企業をサポートする公認会計士が平易に解説します。

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浪費家タイプの社長が着目すべきは「固定費」

固定費は無駄遣いが多くなるところなので、定期的な見直しが必要です。

 

たくさんお金を使っている社長は「やりて」に見えますが、実は単なる浪費家ということがほとんどです。会社にお金を残すためには浪費を慎まなくてはいけません。

 

会社のお金を正しく使うためには、4つの質問に順番に答えながら、固定費に問題がないかを確認するのがポイントです。

 

質問1:本日までの経常利益は、前年の本日までの経常利益を超えていますか?

 

経常利益は損益計算書に書かれているので、すぐに確認できると思います。まずは単純に前年比較から、増減を確認してください。

 

質問2:経常利益の伸びは、限界利益の伸びを超えていますか?

 

この質問の意図は、経常利益の伸び幅に見合った固定費になっているかを確認することにあります。もし経常利益の伸びが、限界利益の伸びを下回ったのであれば、固定費が業績の足を引っ張っているということになり、固定費を抑える必要があります。

 

質問3:当期の労働分配率は前期よりも改善されていますか?

 

固定費のなかでも人件費はむやみに下げるべきものではありません。利益に見合った給料をきちんと払えているのかを、労働分配率を基に確認するようにしてください。

 

社長は、日常業務で部下が何をしているかを把握し、成果をきちんと給与に反映する制度づくりをする必要があります。もちろん、役員も、役員報酬に見合う成果を上げているかを確認します。

 

そして、人を採用するときは安易に考えず、労働分配率を意識しながら、DXによる業務改善を進めます。

 

質問4:「人件費以外の固定費」がなぜ増減したのか、押さえていますか?

 

質問3までをチェックしていくと、人件費以外の固定費が増えているのか、あるいは減っているのかが分かるはずです。ここから、設備投資や接待交際費、広告宣伝費など、無駄な固定費がないかを検証していきます。

 

人件費以外の固定費が増えているのであれば、増えた理由と、「費用に対する効果が出ているか」ということを確認します。

 

まず、設備投資が増えたケースです。この場合は稼働率を確認してください。常に事業に使っていなくてはいけません。最大限かつ長い期間パフォーマンスを発揮してもらうためにも、メンテナンスにはしっかりお金をかけるようにしましょう。稼働率が低い遊休資産は、置いておくだけ無駄ですし、どんどんリセールバリューも下がっていくので、早急に売却してください。

 

こういう意識があれば、そもそも設備投資をするときの無駄遣いを減らすことができます。「これが本当に必要なのか?」「低グレードのものや中古品でも十分なのでは?」「もしかしたら社内の設備の修繕でも十分かも」といったことに気づけます。

 

広告宣伝費も、やはり効果にこだわってください。広告宣伝費については、効果測定ができるはずです。広告を出したことにより、売上高がどれくらい伸びたのかを、数値で調べます。できれば、単価アップにつながったのか、販売数アップにつながったのかといった分析をしてください。そうすることで、「広告費1円あたり、売上高が2円増えた」といったことが見えてくると思います。

 

こうした検証は定期的にすることをお勧めします。広告の効果は、だんだんと落ちていくのが一般的なので、どこかの段階で費用に効果が見合わなくなってくるはずです。そうしたタイミングで、広告の打ち出し方を変えたり、取りやめたりすれば、損を避けることができます。

 

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本記事は『たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

小形 剛央

幻冬舎MC

「会計」と聞くと、「面倒だけどやらなくてはいけないもの」というイメージを持つ人は少なくないはずです。 税務申告のため、融資を受けるため、売上や利益の金額を確認するため…。会計の役割をそういったものだけだととら…

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