(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産関連の最難関の国家資格である「不動産鑑定士」。守備範囲は広く、地価公示価格や相続税路線価の算定だけでなく、民間を相手に財務コンサルや融資査定も行います。じつは、不動産の査定で報酬を得られるのは不動産鑑定士だけです。具体的な業務内容や、長期戦の覚悟が必要な資格取得の手順について見てみましょう。

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    多岐にわたる「不動産鑑定士」の業務

     

    「不動産鑑定士」という資格・職業の存在は、多くの人がご存じだと思います。しかし、具体的な仕事内容について正確に理解している方は、あまり多くないでしょう。不動産鑑定士は、主に以下のような業務を行っています。

     

    公的な鑑定業務

    ★地価公示価格の算定

    毎年1月1日時点の土地(標準地)の適正かつ正常な価格の査定を、国土交通省の委嘱を受けた2人以上の不動産鑑定士が行います。

     

    ★基準地標準価格の算定

    毎年7月1日時点の土地(基準地)の適正かつ正常な価格の査定を、全国の各都道府県から委嘱を受けた1人以上の不動産鑑定士が行います。

     

    ★相続税路線価の算定

    土地にかかる相続税や贈与税を算定する基準となる価格の査定を、国税庁から委嘱された不動産鑑定士が行います。

     

    ★固定資産税評価額の算定

    総務省が定めた「固定資産評価基準」をもとに、地価公示価格や相続税路線価等との均衡を鑑みながら算定される価格の査定を、全国の各市区町村から委嘱された不動産鑑定士が行います。

     

    不動産鑑定士が上記のような公的鑑定に携わっていることは周知されていますが、これだけで生業を立てているわけではありません。公示地価や相続税路線価の調査は年に1回きり、固定資産税評価額に至っては3年に1回だけです。必然的に、民間における活躍の場も開拓していくことになります。

     

    民間向けの鑑定業務

    ★相続不動産の査定

    遺産相続の対象となる不動産について、被相続人から委嘱を受けて査定を行います。公的指標はもちろん、近隣の取引事例や不動産業者聴取なども参考にしながら、適正な不動産価格を査定・提示することで、親族間の相続問題を円満解決へと導きます。

     

    ★財務コンサルティング

    企業が所有する不動産資産や、M&Aによる買収先の資産状況など、不動産に関わる財務を中心とした企業経営の提案を行います。

     

    ★融資査定

    金融機関からの委嘱を受けて、住宅ローンやアパートローンなどの融資を予定、または継続中の対象不動産の査定を行います。

     

    ★賃貸不動産の査定

    賃貸借契約更新時の家賃値上げの際に賃借人が同意せず、交渉が長引いたり裁判になった場合、賃貸人からの委託を受けて対象不動産の適正な家賃や地代の査定を行い、値上げの根拠を示します。

     

    相続問題から企業財務、ローン、賃貸運用指南まで、不動産鑑定士の守備範囲は多岐にわたります。公示地価や相続税路線価の査定といった公的業務の割合と比較すると、企業や個人を対象とした民間向け業務の方が大きなウエイトを占めているかもしれません。

     

    意外と知られていませんが、報酬を得て不動産の査定を行えるのは不動産鑑定士だけです。インターネット上で「あなたのマイホームを無料査定いたします」と謳っている不動産会社は複数ありますが、これは顧客へのサービスとして「無料」にしているわけではなく、物件査定(=不動産鑑定)で代金を請求することがルール上できないからです。

     

    不動産鑑定士は、立地特性や法規制、市場性などさまざまな要素を参考に対象不動産の鑑定評価額を算定し「不動産鑑定評価書」にまとめます。不動産鑑定評価書の作成は不動産鑑定士に認められた独占業務であり、無資格者がこれを作成し報酬を得ることは違法行為となります。

     

     

    次ページ資格取得のために突破すべき「試験」とは?

    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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