どんな病気、状態のとき?「在宅医療」を選ぶべきタイミング【在宅医が解説】

どんな病気、状態のとき?「在宅医療」を選ぶべきタイミング【在宅医が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

いきなり在宅医療をスタートするケースはありません。多くの場合、病院で何かしら治療を受けていたけれども、それまでの入院や通院が難しくなってきて、在宅医療を考え始めるケースが大半でしょう。それではいつ、どのようなタイミングで在宅医療を検討しはじめればいいのでしょうか。

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どのような病気が在宅医療に適していますか?

■どんな病気でも「ひとりで通院できない方」が対象

 

どのような病気でも大丈夫です。在宅医療が受けられる方は、「ひとりで通院するのがむずかしい方」が対象となっていて年齢や病気や障がいについての決まりはありません。ですから病院や診療所に通うのが難しい状態の方であれば、どんな病気でも何歳であっても利用できます。

 

たとえば、脳梗塞で麻痺があって車椅子で生活されている方や、膝が痛くて家の中は何とか歩けても、外を一人で歩くことがむずかしい方、歩くことはできるけれど一人で診療所にたどりつくことができない認知症の方なども、在宅医療の対象になります。

 

ですから、在宅医療=終末期というわけでは決してなく、車椅子生活になったことをきっかけに在宅医療がはじまった方では、もう10年以上も在宅医が関わっているということもあります。

 

基本は、「ひとりで通院するのがむずかしい方」が対象となりますが、がんの終末期の方は、ひとりで通院できなくなる状態になってから残された時間が少ないため、通院できている時期から、病院主治医より勧められることがあります。

 

■病院は病気と闘うところ

 

在宅医療がはじまったら、病院に行けなくなるわけではありません。

 

病院の受診が必要なときは、在宅医からの紹介状をもって介護タクシーなどで受診することができます。

 

病院を受診するのは、「病院でないとできない」理由があるときです。診断のためにCTやレントゲンなどの検査が必要であったり、手術をはじめとした病院でしかできない治療が必要な場合になります。

 

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※本連載は中村明澄氏の著書『「在宅死」という選択』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集した原稿です。

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

中村 明澄

大和書房

コロナ禍を経て、人と人とのつながり方や死生観について、あらためて考えを巡らせている方も多いでしょう。 実際、病院では面会がほとんどできないため、自宅療養を希望する人が増えているという。 本書は、在宅医が終末期の…

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