(※写真はイメージです/PIXTA)

近くにスーパーやコンビニのある便利な都会に住んでいても、「買い物難民」になってしまう高齢者たちがいることをご存じでしょうか。原因は「青信号のうちに道路を渡り切れない」こと。買い物難民は、必要な介護支援を受けていなかったために、身体の状態が「道路を渡り切れない」レベルにまで低下してしまった人々です。外出が難しくなれば身体機能はさらに弱まり、寝たきり状態に進みます。身体機能を長く維持するために知っておきたい、介護支援を始めるべきサインを見ていきましょう。

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日本は「介護支援が必要なのに受けていない人」が多い

なぜ、身体能力が弱っていても、支援を受けないのでしょうか。それには、介護の持つイメージが影響しているのではないかと考えています。

 

皆さんは、介護という言葉を聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。私もいろいろと周りの方々に聞いてみると、お風呂に1人で入れなくなった人の介助をする、排泄の処理をする、食事の世話をするなど、どこか大変そうで暗いイメージばかりが先行しています。

 

さらにいえば、介護についてはあまりメディアも取り上げないですし、取り上げるとしても、介護離職で親の年金で暮らす人や介護離婚をして困っている人、老老介護で疲れ切った人、といった極端な場面ばかりです。

 

もちろん、そのような状況があることを伝えて、危機感をあおることはとても大切なのですが、マイナスなイメージを抱くような内容があまりにも多いように感じます。

 

介護にプラスのイメージを少しでも抱けるようなメッセージを伝えている番組は、ほとんど見たことがありません。

 

介護による支援はお風呂の介助、排泄の処理といったようなものだけではありません。もっと前の段階から、日常生活に支障をきたしはじめたあたりから、受けられるものなのです。

 

それなのに、介護支援に関して、マイナスなどこか暗いイメージしかないため、できれば考えたくないこと、どこか忌むべきものというイメージを抱く方が、特に男性に多いのです。これだと、介護に対して、苦手意識を抱き、考えたくないと思ってしまうのも無理もありません。

 

親に介護の話をすると、「そんなに俺は衰えていない」とか「そんな縁起の悪い話をするな」などと言われたという話をよく聞きます。

 

また、「両親はまだ若いし介護なんて考えなくていい」と家族が考えて、ほうっておいたり、家族に迷惑がかかるから言わないでおこうと考え、生活に不自由さを感じても、なんとかなるからと、本人が何も言わなかったりします。

 

そうなると、介護による支援が遅れて、結果的に家族も本人も苦労してしまう。

 

せっかく介護保険制度という制度ができ、十分ではないですが、国や地方自治体で支援する体制があるのにもかかわらず、支援を受けないのは、なんとももったいないことです。ぜひ、介護のマイナスなイメージを払拭して、前向きに考え、情報を得て、介護による支援をどんどん利用していってほしいのです。

次ページ「家族に迷惑をかけたくない」という人は多いが…

※本連載は、神戸利文氏、上村理絵氏による共著『道路を渡れない老人たち』(アスコム)より一部を抜粋・再編集したものです。

道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる

道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる

神戸 利文
上村 理絵

アスコム

青信号で道を渡り切れず、怖くて買い物にも行けない。 トイレに間に合わず、オムツを重ね履きしている。 長期間の寝たきり生活を送り、家族に迷惑をかけているのが申し訳ない…。 間違った介護と医療で、急激に身体が弱っ…

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