※画像はイメージです/PIXTA

南半球に位置するニュージーランドはこれから本格的な夏を迎えます。しかし、コロナ禍において毎週月曜日に首相の記者会見を聞き、行動を決定するパターンはいまも続行中です。経済も大きく変化しましたが、不動産業界はどうでしょうか。オークランド在住で不動産会社を経営する筆者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。※本記事は、2021年11月6日現在の情報に基づいて執筆されています。

不動産業界は影響なし、物件価格も右肩上がりに

まさに不動産業界が繁忙のいま、ステイホームの状況は痛いといえば痛いのですが、幸い物件の内覧は可能ですので、なんとか営業もできています。オークションもウェブで行う端から、どんどん成約しています。

 

この状況下、ファーストホームバイヤーたちも、内覧の感触はおおむね良好です。資料を確認のうえ、弁護士に相談するような問題がなく資金調達が可能なら、少々のことは目をつぶって購入へと至ります。

 

率直な話、あまりにも慎重に考えている人は、この時期なかなか購入できません。しかし、いま買えないということは、購入のチャンスを逃すこととほぼイコールです。いまある程度の資金があっても、今後価格上昇する可能性は高く、同じ予算で同レベルの物件が買えなくなることが想定されるからです。

 

不動産会社としても、お客様の希望内容のほか、ご職業(通勤状況)やお子さんの有無といった個人情報をヒヤリングし、なるべくご希望に合わせるかたちで「これだ!」と思う物件をご紹介していますが、物件調査をして間もない方や、調査するのが初めての方にとっては、決断しにくい状況です。

 

もちろん我々も、調査せずに物件をお勧めしているわけではなく、資料を確認のうえ、長年の経験をもとに現場をよく見定めています。もし仮に修理が発生しても、そもそも中古物件です。いずれ大なり小なり修理箇所は出てきます。

 

そのことから、「致命傷的な事項がない限り、買いに走ったほうがお得!」と認識し、それを踏まえたうえでお勧めしていますが、細かい点が気になって購入する勇気が出ない方もいます。もっとも、あとから「あなたの意見を聞いておけばよかった…」といわれることも多いのですが、時すでに遅し、といった状況です。

 

中古が不安な人たちは「新築なら建物構造も問題がない。仮に問題があっても、保証がついているのでよし」と考えます。したがって、新築のタウンハウスの売り上げは好調です。

 

もちろん、一戸建てを求める家族も多いのですが、20代、30代の若い世代なら、予算は100万NZドル以下となり、そうなると、選べるのは2LDKの長屋風ユニットか、郊外の市内中心地から車で1時間かかる地域の3LDKになります。

 

この条件でいいという方は一戸建てにチャレンジしますが、通勤時間や学区にこだわる方は、タウンハウスの購入を検討します。プラン売りですので、内覧はありません。図面と各種資料の確認はしますが、完成時期が明確でないため、時期にこだわる方は躊躇します。そこをなんとか賃貸物件で粘っていただき、新築物件のマイホームを購入いただけるようご案内…もとい説得している現状があります。

今後もNZ不動産は安泰、価格上昇のチャンスも多数

来年のニュージーランドの不動産マーケットはどうなるのでしょうか?

 

マイナス要因を口にする方もいらっしゃいますが、10月に執筆した記事『NZ、永住権の取得条件緩和がもたらす不動産投資のチャンス』でも触れたとおり、永住権取得特別枠の認可が下りたことで、もしコロナが回復して開港すれば、NZへ戻るKIWIたちの数も増えると思います。その人口も見据え、先数年は引き続き安泰で、大幅な価格のダウンはないと私は見ています。

 

はてさて、経済学者ではないですので予測などできませんが、需要と供給のバランスから見ても、オークランドではとくに物件数が足りませんので、まだまだ家の販売は盛んでしょう。外国人がここで暮らせるようになれば、賃貸マーケットは安泰となります。もし開港時期がまだ数年先となれば、市内中心地のアパートメントの賃貸マーケットが苦しくなりますから、その点の陰りは隠せませんが、一方では、シティのアパートを安く手に入れられるチャンスとして、買いに走る方も出ています。国民の多くは不動産売買で資産形成を行っているため、売買が盛んな実態は今後も続くと見ています。

 

 

一色良子
ニュージーランド在住不動産エージェント

 

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