(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人に最も人気の資産形成手段と言えば「預金」ですが、超低金利の今、日本円で預金してもお金はほとんど増えません。金利面だけで考えれば、手持ち通貨を預金金利が高い国々の通貨に換えて預けるほうがお得です。とはいえ外貨預金ならではのリスクも…。外貨預金を検討するなら押さえておくべき知識を見ていきましょう。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「円高による損失」と「通貨の交換手数料」に留意

Q1.「外貨預金とは、外国通貨建ての預金です。どのような種類の預金があり、どのような金利が付くのでしょうか?」

 

⇒A. 外貨預金には、普通預金と定期預金の2種類あります。金利は、当該通貨の東京ドルコール市場やユーロ市場などの市場金利を参考に決められます。

 

<解説1>外貨預金の特徴

外貨預金とは、文字通り、米ドル(USD)やユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、オーストラリアドル(AUD)などの外国通貨で預け入れる預金のことで、外貨普通預金、外貨定期預金の2種類があります。仕組みは国内円の場合と同じですが、外貨で出し入れするという点が異なります。いつでも引き出せる外貨普通預金と、外貨普通預金より通常金利が高く、一定期間預け入れる外貨定期預金があり、目的に応じて使い分けることができます。

 

外貨預金の金利は、各国の金利水準が反映されます。つまり、金利の高い国の外貨預金をすることによって、多くの利益を得ることができます。また、預入時よりも円安の為替相場で外貨を円に替えれば、為替差益を得ることもできます。しかし、逆に円高になれば為替差損を被り、最悪の場合、元本割れになる恐れがあります。もう1つ、円を外貨に交換したり、外貨を円に交換する際には必ず為替手数料が掛かるので、それだけで元本割れになる可能性もあります。

 

以上から、外貨預金を運用する際には、外貨安・円高による為替差損があること、外貨を交換する際には、必ず為替手数料が掛かることの2点に留意する必要があります。もう一つ、上記の為替変動リスクと元本割れリスクがあるため、預金保険の対象になっていないことにも留意する必要があります。

 

[図表1]外貨預金の概要

 

<解説2>外貨預金の種類

(1)外貨普通預金

出し入れ自由で、利息が付きますが、現在は日米欧などの超低金利政策により、一部の通貨を除いてほとんど無利息の状態です。それでも外貨での運用または外貨での決済手段として、多くの企業や個人が利用しています。主な取扱通貨には、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、オーストラリアドルなどがあり、適用金利は各通貨の市場金利を参考に決定されます。

 

(2)外貨定期預金

預入期間を定めて、その期間中の払出しを認めない預金です。預入期間は、たとえば3ヵ月、6ヵ月、1年、●月●日~XX月XX日など、自由に設定できます。取扱通貨は外貨普通預金と同じですが、それ以外の通貨でも金融機関の判断で取り扱うことは可能です。金利は、東京ドルコール市場やユーロ市場などの金利を参考に決定され、各金融機関とも独自の金利を適用しています。

 

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Q&Aでサクサクわかる 金融の世界

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