世界的食品会社がフィリピンで上場
次に取り上げるのが「デルモンテ」です。「デルモンテ」はすでに世界市場をリードする食品・飲料メーカーです。同社は、果物の缶詰、ケチャップ、パスタソースなどで日本でも有名なブランドですね。フィリピンは同社の主要商品パイナップルの原産地です。
「デルモンテ」はすでに「デルモンテ・パシフィック・リミテッド」としてフィリピンとシンガポールの両方で上場していますが、今回この「デルモンテ・パシフィック・リミテッド」の子会社で最も収益力の高い子会社「デルモンテ・フィリピン」を切り出して上場するというものです。
公募期間は8月16日~8月20日の予定です。資金調達予定額は、380億ペソ、日本円で1000億円近くになり、前回の大型食品メーカーモンデニッシンと並ぶフィリピンでは最大規模のIPOになります。
ここ数年営業利益は30%台の増加を示していて業績は好調です。すでに世界的なブランドとなっている同社のフィリピンでの上場は大きな注目を集めています。
世界的酒類メーカーも上場を計画
最後に「エンペラドール(Emperador, Inc.)」を見ていきます。同社はブランデー、ウィスキーなどを製造する酒類メーカーで、イギリスのスコッチメーカーも子会社に持っています。同社も世界的なブランド展開を見据えて、シンガポールでの上場を計画しているようです。そのこともあり、同社の株価は5月中旬から急騰しています。
フィリピンは人口が1億人を超えていて、さらに人口増加が継続し、1億5000万人に向かっていく、巨大マーケットです、平均年齢も23歳と若く人口ボーナスも世界最長に継続するので、消費パワーも非常に大きいです。ですので、国内経済成長に乗っかって、個別企業も成長していくというのが、基本成長シナリオではありますが、フィリピンの英語力を生かして、グローバルにも事業展開できる企業は、さらなる飛躍が期待できると考えます。
◆まとめ
今回はフィリピン発グローバル企業という視点で、アメリカ、シンガポールなどのグローバルな海外市場へも上場をしているまたはしていこうとしている企業を見てきました。
フィリピン人の英語能力の高さは、この国の強み特に国際競争での強みになっていて、実際に海外企業に様々なサービスを提供するBPO産業は、インドと並び世界のトッププレーヤーですし、OFWと呼ばれるフィリピン人の労働者は、その英語能力を買われ、米国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、中東諸国などで活躍しています。
英語でのコミュニケーション能力の高さは、IR活動において圧倒的な強みですので、フィリピン企業のグローバル展開にも期待ができると考えています。
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