(※写真はイメージです/PIXTA)

「ヘッジファンド」とは、株式市場が上昇局面のときでも下落局面のときでも様々な手法を駆使してプラスの収益を目指すファンドのことです。今回は、個人投資家がヘッジファンドを選ぶときの8つの基準を見ていきます。本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。

オルタナティブ投資は、代替資産と代替戦略に分かれる

近年では株式、為替、債券など伝統的資産とは異なる値動きが期待されるリートや、金、原油等のコモディティ(商品)などを対象とするオルタナティブ投資に注目が集まっている。

 

オルタナティブ投資は、株式や債券といった伝統的な投資資産とは異なる①「代替資産(オルタナティブ・アセット)」と、従来と異なる手法・戦略である②「代替戦略(オルタナティブ・ストラテジー)」の2つに分けられる。

 

①の「代替資産」は、リート・不動産、コモディティ(金、原油等)、インフラストラクチャー(道路、空港等)、プライベート・エクイティ(未上場株投資)などが挙げられる。

 

また、②の「代替戦略」は、ヘッジファンド戦略などが挙げられる。広義の代替戦略(たとえばヘッジファンド内で用いる戦略)には、テクニカルや行動ファイナンス戦略に加え、SDGs(持続可能な開発目標)・ESG(環境、社会、企業統治)投資やAI(人工知能)・オルタナティブデータ(クレジットカードや衛星画像等)に基づく投資戦略などが含まれる。

「オルタナティブ投資」が注目を集める3つの理由

オルタナティブ投資が市場の注目を集める理由として大きく3つの理由が考えられる。

 

1点目として、低金利環境下、少しでも高いリターン特性のある資産・戦略への投資ニーズが高まっていることが挙げられる。

 

2点目として、リスクを低減させながら持続可能な投資パフォーマンスを獲得するために資産・戦略の分散の必要性が高まっていることが挙げられる。

 

3点目として、顧客の最善の利益追求など金融機関の間でフィデューシャリー・デューティーへの取り組みが広がっていることが挙げられる。顧客にふさわしいサービスの提供のためには、顧客ごとのリスク特性を把握した上で、ニーズに対応した多様なリターン特性や投資期間の商品・情報提供が重要になってきている。

 

このような観点から顧客(運用を行う投資家側)、金融機関(商品の提供側)両サイドにおいて、オルタナティブ投資への関心が高まっているといえよう。

 

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このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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