医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学部受験のゆがんだ実態や教師が頼りにならなくなってしまった原因について解説していきます。

いちばんの難関は偏差値65の壁

私立の医学部に行くのはお金が高いと述べましたが、「お金がありさえすれば簡単だ」というわけではありません。あくまでも「国立医学部に比べれば入りやすい」というだけなのです。偏差値から見ても、全然楽ではありません。

 

一般の大学で言えば、早大の理工学部や東工大に入学できるだけの学力が必要になります。金沢医科大学や埼玉医科大学のラインがそれです。

 

医者である親でも、そうした現状は分かっていません。これから名前を出す大学には大変恐縮なのですが、いかに親が分かっていないかという例で出させてもらいます。

 

「帝京だけは避けてね。あそこはレベルが低いから、私が恥ずかしいわよ」

 

全く分かっていません。帝京大学の医学部は、東京大学の理二程度の偏差値です。レベルが低いはずがありません。昔とは大違いなのです。

 

何にせよ、私立大学でも偏差値は65以上が必要なのです。慶應義塾大学の場合は75です。国公立大学の場合は最低70、欲を言えば75が欲しいところです。東京大学の場合は80を超えます。国立の医学部となると、進学校でも上位数%の中にいる子でなければかなり厳しいという状況であるわけです。

 

それを偏差値40程度で、「金は出すから1年で合格させてくれ」などと言われても、それは無理なのです。

 

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次ページ何故予備校は偏差値40台の生徒を放置するのか

本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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