医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学部受験のゆがんだ実態について解説していきます。

並大抵のことでは乗り切れない医学部受験の高い壁

医者がますます必要な時代なのに

 

現在、日本には医学部が82あります。内訳は国立42校、公立8校、私立31校で防医が1校です。全体の定員数は9330人で前年度より減っています。また2022年度以降も医学部定員を減らす方向が決定しています。

 

もちろん、人口減少による需給バランスを考慮しているわけです。受験倍率においては、単純計算でも約14倍にもなり、その中で受験生はしのぎを削っています。合格平均偏差値は、62.5で推移しています。

 

国公立においては、前期では5倍、後期では18倍。私立医学部では平均倍率約20倍です。また、センター試験の私立医学部では、飛び抜けているのが東海大82.7倍、杏林大119.5倍、福岡大も100倍を超えています。センター試験利用はかなり厳しい結果となっています。

 

確かに、少子高齢化で全体の人口は減ります。しかし、日本は他の先進国に先駆けて高齢化が進展するわけですから、医療の必要性はますます増し、緊急優先事項となるのは必定でしょう。

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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