ブルーベリーやサプリメントでは白内障を治療できない
最近では、テレビや雑誌、インターネットの情報などを見ていると「老眼による見えにくさ」や「目のかすみ」などに効くというサプリメントがたくさん紹介されていますね。
先日も新聞の折り込みチラシを見ていたら、「白内障で手術が必要だと医師に言われたけれど、このサプリメントに出会い飲んでいたら、すっきりと視界が明るくなった…」。そんな70代女性の体験談が載っていました。
そうした情報を見聞きすると、自分も試してみたいと思うものです。患者さんのなかにも「ブルーベリーが目に良いと聞いて、たくさん食べるように心掛けている」とか、「目に効くというサプリメントを飲んでみたい」と話す人もいます。そういうときに筆者は、だいたいこんなふうに話をします。
「ブルーベリーやサプリメントは、薬ではなく食品です。食品だから、適量を守って摂るぶんにはだめとは言いません。けれども医学的な効果は分からないし、少なくとも白内障を治療することはできません。費用と効果をよく考えて、ほどほどにしておいてくださいね」と。
実は、最近は眼科の治療でサプリメントを使うケースも出てきています。例えば、ルテインというサプリメントを聞いたことがあるでしょうか。このルテインは、加齢黄斑変性症の予防・改善に有効なことが、科学的にも確かめられています。
ルテインは緑黄色野菜に含まれる黄色い色素成分で、網膜の黄斑にも多く含まれています。ルテインが加齢によって減少すると黄斑が弱くなるため、病院によっては、加齢黄斑変性症の治療にルテインのサプリメントを出すところもあるようです。
また、サケやエビなどに多い赤い色素・アスタキサンチンが眼精疲労を改善するという研究もありますし、血液をサラサラにするDHAや抗酸化ビタミン類が目の健康増進に役立つとの報告もあります。
ただし、白内障に関していえば、何か特定の栄養成分が白内障の発症・進行を予防すると科学的に証明されたものは今のところありません。特定の食品やサプリメントに頼るより、いろいろな食品をバランス良く食べて、健康な身体でいることを心掛けるほうが目にも良いと筆者は考えています。
松原令
医療法人社団松原眼科クリニック理事長
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