夫に先立たれ、子もなかった女性は仕事にまい進。長年の商売と株式投資で積み上げた資産は4億円以上にのぼります。年齢を重ねてから、実弟とその子を養子とすることで、相続対策も抜かりなしと考えていましたが、金融資産の割合が高すぎて、計算すると相続税額は億単位に…。どうやって節税したらいいのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

呉服店経営と株式投資で「4億円超」の資産を形成

今回のご相談者は、北陸地方在住の40代会社員、井上章さんです。高齢となった養母の相続対策について相談に見えました。養母の静江さんは現在84歳で、章さんの父親の姉、つまり章さんの伯母にあたります。

 

 

静江さんは10年前まで、地元でも有名な呉服店を営んでしました。早くに夫を亡くしており、実子もなく、ひとりになってからは仕事一筋で真面目に働き、コツコツと資産を積み上げてきました。商売人らしく世の中の動きを読むことも得意で、株を買っては資産を増やし続けてきたそうです。店の隣の土地を購入し、畑にして野菜を収穫するなど、趣味も楽しんでいました。

 

財産の蓄えができた静江さんですが、跡取りがいないため、自分が亡くなったあとのことが気がかりになり、養子縁組をしようと考えたとのことで、自身の弟である進さんと、進さんの長男である章さんを養子にすることで話がまとまりました。

 

それからしばらくのち、静江さんに意思判断能力の衰えが見えはじめたため、現在は特別養護老人ホームに入所しています。施設の担当者から「成年後見人をつけたほうがいいのでは」とアドバイスされ、相続を意識しはじめた進さんが、章さんに筆者のもとへ相談に行くよう促したとのことでした。

 

あああ
(※写真はイメージです/PIXTA)
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本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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