経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋した原稿です。

土地の権利形態には所有権と借地権がある

不動産を購入する際、どのような権利関係があるかを押さえておくことは重要だ。権利関係と書くと、堅い法律の話になると思って敬遠したくなる人もいるかもしれない。しかし、権利関係によって実際の不動産価格は異なるため、きちんと押さえておきたい。

 

土地と建物のうち、土地の権利形態には大きく分けて2つある。「所有権」と「借地権」だ。それぞれの意味は読んで字のごとく。所有権を持つとは、その土地の所有者になることで、自由に売買したり、活用したりすることができる。土地を所有しているので、土地に対する固定資産税や都市計画税などの税金を支払う義務もある。

 

土地の権利形態には大きく分けて「所有権」と「借地権」がある。
土地の権利形態には大きく分けて「所有権」と「借地権」がある。

 

一方、借地権とは土地を借りる権利で、3つの種類がある。「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」だ。

 

旧法借地権は、土地所有者に特段の事情がない限り契約更新を拒否できない。普通借地権は、契約期間が 30 年で、1回目の更新は20年、2回目以降の更新は10年となる。普通借地権も、土地所有者に特段の事情がなく、借地権者(借地人)が希望すれば契約は自動的に更新される。この2つの借地権は、裏を返せば借地権者に圧倒的に有利な権利だ。 

 

定期借地権は、契約期間に定めがあるもので、借地人は期間満了後に土地所有者に更地で返さないといけない。時々分譲マンションの広告で「定期借地権分譲マンション」という文字を見かけることがあるだろう。50~70年の期間になっていることが多い。

 

収益不動産の対象となる借地権付き物件は、旧法借地権が多い。借地人に有利な借地権付き不動産のメリットとデメリットを見ていこう。

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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