世界銀行が、イーサリアムのブロックチェーンを活用し、2回目の起債を実施。今後は、決済やカストディサービス等の効率性向上にもブロックチェーンを利用し、機能を拡大していくことを目指している。

ブロックチェーン上で債券発行

世界銀行(World Bank)が、世界初のブロックチェーン債券として注目を集めた「bond-i」の、2回目の起債を実施。調達額は昨年分との合計で1億6000万豪ドル(約115億円)に達した。

 

「bond-i」は、豪コモンウェルス銀行(CBA)が管理するイーサリアムブロックチェーンを利用して発行・管理される債券だ。本ブロックチェーンの構造やセキュリティなどのチェックは米マイクロソフト社が行っている。

 

1回目は昨年8月に起債され、極貧国における自動化金融システムの効率を向上させるために活用された。

 

今回の債券発行で、世界銀行は5000万豪ドル(約36億円)の資金調達に成功、調達額は昨年分との合計で1億6000万豪ドル(約115億円)に上った。債券の販売管理には、金融企業であるRBC Capital MarketsとTD Securitiesが協力した。

 

世界銀行のファンド部門のトップAndrea Dore氏は、「投資家を初めとするパートナーから継続して強力なサポートを提供してもらえることを嬉しく思う」と満足感を示したという。

 

また「資本市場における世界銀行の手法や経験は、各国でデジタル化を推進するために重要な鍵となる。経済での生産性を高め、持続可能な開発目標に向けて加速することができる」と語っている。

 

CBAのブロックチェーン・AI部門のトップSophie Gilder氏は、同じブロックチェーン上で今回も債券を発行できたことを「確かな技術の証明」と表現し、今後は決済やカストディサービス、また規制順守の効率性向上にブロックチェーンを活用していきたいと意欲を見せている。

 

RBC Capital Marketsの債券市場管理部門のトップJigme Shingsar氏は、ブロックチェーン技術について以下のように語っている。

 

まだブロックチェーンは新しい技術だが、我々はこの技術が金融サービスを一変させるポテンシャルを持っていると信じている。透明性や効率性の飛躍的な向上につながるはずだ。

 

※本記事は、2019年8月20日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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