「株価を極限まで引き下げて、事業承継のための資金や節税対策に!」――こんな思いを実現するひとつの方法が持ち株会社の設立です。今回はその基本的な仕組みを見ていきましょう。

子会社・グループ会社の支配権を握る持ち株会社

まずは持ち株会社とは何か、どのような仕組みなのかを見ていきましょう。

 

「○○ホールディングス」や「△△グループ本社」という会社名を耳にしたことがあるでしょう。これらは、まさに持ち株会社のことです。
 
イメージとしてはX社の上に新しい会社Z社を設立。X社の株式を100%保有し、オーナー社長はZ社の株式を100%保有。実質的に、Z社がX社の親会社となり、オーナー社長はZ社の経営を通じて、X社の支配権をかたち作ります。これを「株式移転」といい、持ち株会社Z社(本社)→事業会社X社(子会社)という関係になります。
 
もう一つは、前に紹介した高収益事業を子会社化したY社に、他の事業も譲渡し、X社をY社の株式を保有するホールディングカンパニーとすることです。

このように、持ち株会社というのは、子会社やグループ会社の株式を保有することで、他の会社の事業活動を自社の管理下に置き、他の会社を実質的に支配することを目的として設立された会社のことをいいます。

持ち株会社設立による株価引き下げのスキームとは?

では、株価引き下げのスキームの事例を見ながら解説しましょう。
 
資産13億円のX社。株価総額は3億3610万円で、その自社株式の100%をオーナー社長が保有しています。まず、Z社を新設し、オーナーが保有するX社の株式を移転します。その後、Z社株を新たに発行し、オーナー社長が100%を保有します。
 
ここでは便宜上、Z社も類似業種比準価額方式で株価総額を計算しています。
 
持ち株会社を設立しない場合、株価総額は4億8430万円まで上がっています。しかし、持ち株会社を設立したことで、Z社は、実質的なX社の支配権を握った状態で、約10分の1の4930万円が株価総額となるわけです。
 
なぜそのようなことが可能なのか。その理由は次回詳しくご説明します。

 

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