「相続税の納税猶予」は最終的にどうなるのか?

中小企業経営承継円滑化法による納税猶予は、最終的にどんな取扱いになるのでしょうか。本稿で見ていきましょう。

状況を考慮して「納税猶予をやめる」という判断も

中小企業経営承継円滑化法による「相続税の納税猶予」は、後継者が次の代に事業承継するときも、そのまま継続して納税猶予の適用を受けます。やはり、いったん走り出したら、どこまでいっても止まれないのです。
 
止まることができる、すなわち納税猶予されていた相続税の全部または一部の納付が免除されるのは、次の場合だけです。
 
①後継者が死亡したとき
②会社が破産または特別清算したとき
③自社株価の時価が猶予税額を下回っているときに、株式を全部譲渡したときは、時価を超える猶予税額のみを免除
④次の後継者に自社株式を贈与し、その後継者が「贈与税の納税猶予の特例」の適用を受けるとき

 
このなかで③は納税も伴いますが、会社や後継者などの状況も考慮して納税猶予を止めるほうがいいと判断したら、実行に移してもいいでしょう。

「贈与税の納税猶予」では課税時の取扱いにも注意

最後に「贈与税の納税猶予」の活用では、非上場株式の贈与税は、相続時精算課税制度ではなく暦年贈与によって課税額が決められます。また、後継者が自社株式の3分の2超の株式等の贈与を受ける場合で、納税猶予を使わないときは、株式は相続時精算課税制度を利用することができます。

いずれにせよ、中小企業経営承継円滑化法による納税猶予を活用するにあたっては、制度の内容を十分に把握したうえで取り組みたいところです。

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『オーナー社長のための税金ゼロの事業承継』から抜粋したものです。2015年1月1日施行の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

著者紹介

連載オーナー社長のための税金ゼロの事業承継

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

事業承継の成功は自社株式を制することにあり ムダな税金を払わずに後継者に事業を譲り渡す。その秘訣は自社の株価を極限まで引き下げることにあった。「一年分のオフィス賃料は一気に払う」「高収益部門を分社化して本体の利…

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