「少子化問題」や「空家問題」からも分かるように、日本の人口は減少の一途をたどっています。そのなかでも特に不動産投資をしている人は、「生産年齢人口」に注目しなければいけません。なぜなら、生産年齢人口と呼ばれる層が「不動産流通市場の主役」と、なるからです。本記事では、「生産年齢人口」の減少にともない、不動産市場が今後迫られる対応について考察していきます。

15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」減少という課題

1. 日本の生産年齢人口の過去と未来

 

そもそも、「生産年齢人口」とは一般的に労働力の中核を担うといわれる"15歳以上~65歳未満" の人口層のことをいいます。つまり、生産年齢人口が多いほど働き手が多いため、税収は上がりやすく経済は活性化しやすいといえます。

 

結論からいうと、少子高齢化という言葉があるように、現在の日本の生産年齢人口は年々減少するという傾向にあります。総務省が出典※1している、日本の人口推移によれば、過去と未来の生産年齢人口を要約すると以下の通りとなります。

 

●生産年齢人口は1995年をピークに、総人口も2008年をピークに減少に転じる

●2010年:生産年齢人口の割合63.7%(生産年齢人口8,103万人、総人口12,708万人)

●2020年:生産年齢人口の割合59.1%(生産年齢人口7,341万人、総人口12,410万人)

●2030年:生産年齢人口の割合58.0%(生産年齢人口6,773万人、総人口11,662万人)

●2060年:生産年齢人口の割合50.9%(生産年齢人口4,418万人、総人口8,674万人)

 

このように、総人口も減少していきますし生産年齢人口も減少していきます。不動産投資は長期間での経営になる為、長期のスパンで考えなければいけません。

 

※1 総務省 人口データ(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112120.html)

生産年齢人口が減ると「不動産の流通性」が悪化!?

2. 生産年齢人口から見る今後の不動産市況

 

前項の生産年齢人口から見る今後の不動産市況で大切な点は、以下の通りです。

 

●居住空間の選択

●エリアを厳選

 

上記の2点はいずれも「賃貸不動産経営者」の視点からの「大切な点」になります。

 

2-1. 居住空間の選択

 

総人口が減り生産年齢人口が減るということは、以下のような状況になるということです。

 

●居住者自体が少なくなる

●売買や賃貸が活性化しなくなる

 

まず日本の総人口が減るので、単純に「住む場所」が、今ほどは不要になります。また家を引越すなどの「不動産流通事業」が関わってくるときというのは、「転勤」や「家族数が増えた」という状況が多いです。そのため、生産年齢人口が減るということは、転勤や家族数の変化も減るので不動産の流通性は悪くなります。

 

つまり、賃貸不動産経営者が考えるべきことは、「戸建て」「分譲マンション」「賃貸マンション」という居住空間のなかで、いかに自分の物件を選択してもらえるかという点です。そのため、戸建てやマンションなどの分譲物件希望者を、賃貸物件へ誘導する必要があるということです。

 

たとえば、分譲マンションより劣りがちといわれている仕様・設備を強化したり、防犯性を強化したりする必要があります。そうしないと、総人口が減り、生産年齢人口が減り不動産流通が鈍くなる未来において賃貸マンションは苦戦してしまうのです。

 

2-2 . エリアを厳選

 

前項の「生産年齢人口」に加えて、今後の不動産市況を考えるには「エリア」を加味した人口推移を考える必要があります。

 

総務省の発表では、2016年1月の人口調査で日本の人口は7年連続で減少しています。また、その減少数(27万人超)は調査を開始した1968年以降で最大減少数であるという結果です。これは、前項のデータで、見て取れます。

 

一方で東京を中心とする首都圏の人口は前年比で11万人近く増加しているという状況※2でもあります。不動産賃貸経営でのターゲットは「居住者」となり、その居住者が多い場所でないと不動産需要が減少します。

 

不動産需要が減少するということは不動産価格が下がりやすい状況であるということです。つまり、賃貸マンションでいえば、空室率の増加と賃料の低下につながってしまうのです。そのため、「日本の総人口の減少」および、不動産流通に関わってくる「生産年齢人口の減少」が起こる未来では、一層「ターゲットである居住者がいるエリア」での賃貸経営が重要です。

 

そのため、以下のようなエリアを厳選するべきです。

 

●ターミナル駅などの「駅力」があるエリア

●今後「再開発」や「インフラ整備」など将来性があるエリア

●大型商業施設や大学など「人気(需要が途切れにくい)施設」があるエリア

 

いずれにしろ、なるべくターゲットである「居住者」が多くいて、かつその場所の需要が途切れないようなエリア選定が重要になります。

 

※2 総務省統計局データ一覧(http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html)

 

3 . まとめ

 

今後の生産年齢人口と不動産投資の関わりにおいて、ぜひ以下の点を理解しておきましょう。

 

●今後も日本は総人口だけでなく生産年齢人口の割合も低下する

●生産年齢人口こそが「転勤」「家族数の変化」による不動産流通市場の主役

●今後の不動産経営は「分譲」を意識した経営が必須

●今よりも一層「需要があり途切れにくいエリア」を選定する必要がある

 

本連載は、株式会社フェイスネットワークが運営するウェブサイト「toshi.life」の記事を転載・再編集したものです(https://toshi.life/article/fudosantoshi/10419)。

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