今回は、水回りの設備は「清潔感」を重視すべき理由を解説します。※本連載は、15歳から賃貸経営に携わってきた、地主系大家とサラリーマン投資家、二つの顔を併せ持つ不動産投資家、大城幸重氏の著書、『高家賃でも空室ゼロ! これからの不動産投資は地方の新築デザイナーズアパートが狙い目です』(秀和システム)から一部を抜粋し、入居者に選ばれる物件作りのコツを解説します。

「ロフト付きの部屋」はおすすめしない⁉

収納を増やすという観点では、ロフト付きの部屋もよくあります。

 

しかし、私はおすすめしていません。

 

なぜなら、私が自分の物件に住んでみた時の実感として、重い荷物をロフトに上げなくてはならないため、収納として使いにくく感じたからです。

 

加えて、天井高が高い部屋は、開放感があって良いのですが、真冬、エアコンで暖まりにくいと実感しました。部屋の容積が増えるため、エアコンを部屋と上部のロフトに2台設置しないと、パワーが足りず、なかなかエアコンが効かないのです。結果として、冷暖房費がかなりかさみます。

 

さらに、入退居時のクロスの張り替え費用も、とても高くなります。

 

その辺を考慮すれば、天井高は2.4mくらいが、住む上で一番良いのではないかと思います。

 

開放感を重視するなら、天井の際に回り縁を付けず、クロスを天井高のギリギリまで目一杯貼ることで、天井高を高く見せることができます。

 

[クロスを天井高まで貼った例]

 

設備や部材は「金属素材」を選ぶことがポイント

キッチン、洗面、お風呂といった水回りは、オシャレであるよりは、機能的で清潔であることが大切だと考えます。

 

なぜなら、水回りの設備は、経年と共にどうしても劣化していくからです。

 

私の物件の浴槽は白だったのですが、年数の経過とともに色がくすんでいきました。逆に色を黒にすると、今度は、白い水垢が目立ってきます。美観的には、どちらがいいのだろうと、いつも悩んでいました。

 

ただし最近のユニットバスは、とても汚れに強くなっているので、それほど神経質になる必要はないかもしれません。TOTOのほっカラリ床に代表される床材などは、汚れに強く、乾くのも早いです。

 

結局、毎日使うような設備はいずれ壊れ、年月が経つと共に見た目が汚くなっていきます。それを取り替えることを前提に、量産されている規格品でメンテナンスがしやすく、使用感が出にくい日本の製品が良いと思います。

 

また、その設備や部材についてのグレードですが、トイレでもシャワーヘッドでもプラスチック素材ではなく、金属素材を選ぶことがポイントです。

 

例えば、洗面台やトイレを長年使っていった時に、白かった部分が色あせてベージュに変色した経験はないでしょうか?

 

特にプラスチック系の白いものは変色しやすい傾向があるので、部材選びには気を付けた方が良いと思います。また、シャワーヘッドの場合、白いものだと、半年であっても一度使うと使用感が出てしまい、入退居の時、どんなに清掃をしても、この使用感をなくすことはできません。

 

これが金属のものであれば、使用感は出にくくなります。

 

シャワーヘッドのケースで言うと、白いプラスチック系が8000円で、シルバー系の金属のものが1万円だとします。この場合、3000円高くはなりますが、使用感の出にくいシルバー系で金属のものの方が、結果的にコストパフォーマンスが高く、良いことになります。

 

特に水回りは、入居者が一番気にするところになります。この水回りについては、デザイン性よりは、使いやすく清潔でピカピカしている方が好まれます。

高家賃でも空室ゼロ! これからの不動産投資は新築デザイナーズアパートが狙い目です

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大城 幸重

秀和システム

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