今回は、株式投資における「ナンピン買い」のリスクと注意点を見ていきましょう。※本連載では、フェアトレード株式会社・調査本部アナリストの田村祐一氏の監修による書籍、『5万円→1000万円!詳細!株入門』(スタンダーズ)より一部を抜粋し、株式投資で「資産をさらに増やす方法」「損を減らす方法」を紹介します。

ナンピン買いの後、さらに下落してしまうと・・・

たとえば500円で100株買った後で下落した場合、400円で100株買い増すと、平均取得単価は450円になります。450円で200株を購入したのと同じ状態です。この後、株価が500円に回復すれば1万円の利益に、さらに550円まで上昇すれば利益は2万円となり、ナンピン買いをする前より利益を大きくできます。

 

ただし、これは非常にリスクの高い戦略であることは肝に銘じておく必要があります。ナンピン買いの後でさらに下落すると損を広げてしまうことになるからです。株価が回復すると信じるに足るよほどの根拠がない限りは、損切りして仕切り直すのが無難です。

 

いずれにしろ、重要なのは予期せぬ下落に直面してあわてるのではなく、投資する前から上昇した場合と下落した場合、双方のシナリオを具体的に描いておくことです。

事前に「下落時のルール」を決めておき、粛々と実行

たとえば、「○○円まで上昇したら売る」「上昇にはとことんつきあって、下落に転じたら売る」など利益確定の水準を決めておくとともに、「○○円まで下がったら損切りする」「○○円まで下がったらナンピンするが、それでも○○円に下がったら損切りする」といった下落時のルールも事前に決めておき、それを粛々と実行するのです。

 

どんなカリスマトレーダーでも失敗は必ず経験します。持ち株の下落自体は当たり前にあることで、そこでシナリオ通りの行動がとれるかどうかが成功する投資家と失敗する投資家の分かれ目であるといえるでしょう。

 

[図表]持ち株が下落した場合のフローチャート

 

本連載は、一般的な株式投資の仕組みなどを紹介することを目的にしています。特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、スタンダーズ株式会社、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

5万円→1000万円! 詳細! 株入門

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田村 祐一

スタンダーズ

株式アナリストであるフェアトレードの田村祐一氏監修の元、株式投資を始めるために必要な知識、取引の仕方などをわかりやすく教え、さらに株で儲けるために注意したい意点やワンポイントアドバイスを細かく抑えることで、株で…

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