今回は、銀行の業界用語、「有償解除」について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行の担保のついた資産でも「売却」は可能

銀行を舞台にした小説や、銀行マン向けの書籍を読んでいると、

業界特有の用語が出てきます。

その言葉の意味を知るほどに、銀行はつねに、

いかにして自分たちの立場を有利にしようとしているか、

しか考えていない、ということがわかってきます。

 

②有償解除

 

「含み損のある土地を売却して赤字を出しなさい!」

といったときに、

「しかし、その土地には銀行の担保がついているんです。」

との返事をいただくことがあります。

要は、その土地を買った際の借入金の返済がまだ残っており、

しかも、その土地が銀行借入金の担保になっている、

というパターンです。

 

そんなときは、

「心配しなくても大丈夫です。

 売却したお金で、借入金の残りを返済する旨、

その銀行の支店長に話してください。

 このことを銀行用語で、”有償解除”と言うんですよ。」

と教えてさしあげます。

 

無条件に担保解除はしませんが、

一気に全額返済するなら、担保設定を解除してやろう、

というものです。

ちょっと上から目線の言葉のように、感じます。

なので、

担保設定されているから売却することはできない、

というものではないのです。

そう思い込んでおられる経営者が、案外多いのです。

売却したお金で全額返済するなら、担保設定は外せる

具体的には、売却で得る資金を、

借入金のある銀行支店の口座に入金してもらいます。

その入金を銀行が確認したら、担保解除の手続きをします。

と同時に、借入残の一括返済手続きをするのです。

 

ちなみに今は、無担保・無保証で借りられる時代です。

が、10年ほど前は、担保も個人保証もつけて、

固定資産取得の調達資金を銀行から借りる、

ということが、まだまだ多かったのです。

その時代の借入金が、今も多くの会社で残っているのです。

 

今でも銀行は、ダメもとでも、

「担保と個人保証をお願いします。」

と言ってきます。

すんなり通ればラッキーだからです。

彼らは貸出資金が不良債権となった際の、

押さえをしておきたいのです。

217回で申し上げた、担保のない”裸貸し”は、

できることなら避けたい、と今でも思っているのです。

 

まずは、

土地が担保設定されていても、

売却したお金で借入残を全額返済するのなら、

有償解除で担保設定を外すことができる、

ということを、ぜひ知っておいてほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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