不動産投資におけるキャピタルゲインの意味について解説します。

キャピタルゲインとは

保有資産から利益を得る手段には、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類があります。インカムゲインとは、資産を保有し続けることによって得られる利益のことです。株の配当金や預金利息などがよく知られていますが、不動産においては家賃収入がその代表格となります。

 

一方、キャピタルゲインは保有資産の価格変動によって得られる利益を指します。簡単に言えば資産の売却益のことで、不動産の場合は土地や住宅を購入した後、購入価格以上の価格で売却した際に実現することとなります。

 

一般論としては、インカムゲインの方がキャピタルゲインよりも確実性が高いとされています。家賃収入はいったん入居者を確保すれば安定的に回収できますし、家賃保証制度などを利用することでリスクヘッジも可能です。これに対し、キャピタルゲインでは市場の動向によって不動産価格が下がるおそれがあります。

 

一方、期待利益の大きさという点では、キャピタルゲインの方がまさっています。家賃収入の場合は値上がりといっても世間相場によって一定の限度が生じますが、売買市場にあっては投機マネーの流入等によって大幅な価格上昇が起きることがあります。特に海外マネーに対して開放的な国の不動産市場は、価格上昇が発生しがちな傾向にあります。

 

海外投資で実現可能性のある2種類のキャピタルゲイン

不動産投資におけるグローバル化の波はわが国にも波及しており、特に国内投資家が海外不動産を売買するという例が顕著になっています。

 

日本はすでに先進資本主義国として成熟期に入っており、また長期的には人口減も予測されています。そのため、不動産需要も地域的な差はあるものの総体としてはそれほど高まるとは考えられていません。

 

一方、海外に目を転じてみると、何年も高い経済成長率を実現しつつ、人口増加も続けているという国や地域が存在します。こうした場所では事業用・住宅用のいずれにおいても不動産需要が増加しており、継続的な価格の上昇傾向が見られます。つまり、キャピタルゲインが比較的実現しやすい状況にあると言えます。

 

また、海外不動産投資には価格の上昇以外にももう1つ、キャピタルゲインを獲得する機会があります。それは、為替差益です。一般的に経済成長率の高い国の通貨はそうでない国の通貨に対して「強く」なる傾向にあります。そのため、通貨の値上がりが期待できる国に対して不動産投資を行えば、実体価格の上昇と為替の上昇によって二重のキャピタルゲインが実現する可能性もあります。

 

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