収益物件の安定運営を実現・・・地元密着型の管理会社の強み 建築・河野有悟/写真・大沢誠一

「建築家のデザイン」を取り入れたオンリーワンの物件で知られる神奈川の注文住宅大手タツミプランニングと、日本最大級の建築家ネットワークを作り上げたアーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)。両社がタッグを組んで空室リスクの低減を狙う、「建築家のデザイン」を取り入れた収益物件の魅力に迫る本企画。第9回目は、その収益物件を運営する上で欠かせない「管理会社」の役割について、株式会社ポートホームズ取締役営業本部長の平林知久氏と同社執行役員営業部長の坂原智之氏に語っていただいた。

管理会社が「プランニング」から関わっていく理由

――そもそも収益物件において、管理会社はどのような役割を担っているのでしょうか。

 

平林 管理会社は単純に、お預かりする収益物件の“管理のみ”をお手伝いするわけではありません。もちろん、会社によって業務範囲は異なりますが、私たちポートホームズでは、少なくとも物件の立案段階から参画させていただくケースが増えつつあります。

 

例えば、相続のご相談から始まり、“収益物件を経営しましょう”という話になった時点で、それこそ建築家や建設会社の紹介や融資について、さらに利回りを意識した家賃設定まで、あらゆる相談ごとに対応させていただきます。

 

すべての管理会社が、そこまで対応可能かというと、必ずしもそうともいいきれません。私どもは、この管理業務と並行して、建売アパートの仲介も扱っているため、幅広い対応が可能となっています。

 

過去に賃貸経営を経験されているオーナーさんであれば問題ないかもしれませんが、未経験の方にとって、常に相談できる相手がいるということは、大きな安心につながると思いますし、現にそういったお声をいただいています。

 

“地域性”を深く理解した地域密着型の管理会社

――ポートホームズさんは神奈川県の横浜を中心に営業をしていらっしゃいますが、「地域密着型」であることのメリットを教えてください。

 

坂原 改めて言うまでもなく、賃貸経営でもっとも重要なのが利回り設定ではないでしょうか。どのくらいの家賃を設定すればよいのか? どうすれば空室が出ないのか? その答えを導き出すためのアドバイスは、もしかしたらインターネット・マッチングが主体となる全国対応の企業では用意してくれないかもしれません。

 

私たちポートホームズのような、地域密着型の管理会社は、オーナーさんが物件を購入しようと考えている場所の“地域性”を深く理解しています。例えば、ファミリー層が中心の地域であるにも関わらず、入居所帯数を増やしたいがためにワンルームの物件を提案することは絶対にありえません。また、逆に学生の多いエリアにファミリー向けの物件を提案することもありません。もちろん、家賃相場に対するアドバイスも同様、その街にフィットする家賃設定からはずれてしまえば、当然、空室期間が生じることになります。収支のバランスが崩れ、賃貸経営自体が暗礁に乗り上げる可能性があるのです。

 

私たちがプランニングから関わっていくのも、実はこうした「オーナー保護の観点」に立っているからに他なりません。入居者の皆様が長く住めば住むほど、家賃下落の波にさらされることもありません。更新時にも、入居者の皆様が安心して住み続けてくれれば、オーナー負担となる退出時のリフォーム代も不要になります。このような、表面からは見えない賃貸経営のポイントをアドバイスさせていただきます。

 

オーナーと入居者は「できる限り関わらない」⁉

――管理会社に任せるのと、個人で管理する際の違いなどはあるのでしょうか。

 

平林 物件が完成したら、入所者の募集から集金管理、更新管理など、様々な管理業務が発生します。従来の習慣から、入居者の募集だけを弊社にお任せいただき、その他の管理業務をオーナーさんご自身で対応する“自主管理”を選択される方も、時にはいらっしゃいます。

 

しかし、私どもの基本的な考え方としては、“オーナーさんと入居者はできる限り関わらないほうが良い”と思っています。特に、大家さんが収益物件の一部に居住スペースを有している場合によくみられるのですが、慣れ親しんでくると、どこかに“家賃を払っているのだから”という意識が生まれ、あれもこれもと直接、要望を寄せてくるようになります。それだけであればまだしも、「なあなあ」な関係となったことで、“今はお金がないから”と頼み込まれるようになり、家賃滞納を引き起こすケースも続出しています。

 

また、地域住民との関係構築も重要です。中には、収益物件に独身者が入ってくることに抵抗を覚える方々もいらっしゃいます。特に“ゴミ出し”などのローカルルールを守ることができないという理由から、近隣住人とのトラブルを起こす可能性もあります。

 

建築の初期段階から管理会社が関わるメリットとは?

坂原 管理会社である私たちは、定期的に現地に訪れ、地域住民、入居者双方とコミュニケーションを図りながら、問題の発生を未然に防いでいきます。もちろん、建物自体の劣化状況や周囲変化にも目くばせを行い、早めに問題の芽を刈り取ります。

 

オーナーさん個人が複数物件を同時に管理していると、うっかり更新時期を見落とす可能性もあるでしょう。私どもは入居者の皆様の情報を専用の電子システムで管理し、そのデータは信号化したうえで、クラウドでしっかり保管しています。さらに更新契約の場には必ず立ち合い、オーナーさんが不利にならないようアドバイスをさせていただきます。

 

タツミプランニングさんと連携することで、建築家とともに価値が持続する物件を作りあげるのが可能であるように、初期段階から私たちのような管理会社を絡めることで、さらに安心した賃貸運営を続けることが可能となります。

 

建築・河野有悟/写真・大沢誠一
建築・河野有悟/写真・大沢誠一

 

取材・文/伊藤 秋廣 
※本取材は、2017年9月7日に収録したものです。

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株式会社ポートホームズ 取締役・営業本部長

平成8年10月株式会社ポートホームズ入社。平成15年4月、同社営業部部長兼武蔵小杉店店長就任。平成20年3月、自身でアパート経営始める。平成22年4月同社取締役営業本部長就任。宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、定借プランナー。

著者紹介

株式会社ポートホームズ 執行役員・営業部長

平成10年10月株式会社ポートホームズ入社営業部 賃貸仲介、管理業。平成20年4月同社営業部次長就任。平成27年4月同社執行役員営業部長就任。

著者紹介