近年メディア等で耳にする「叱らない育児」ですが、親の都合の良い解釈によって周囲に多大な迷惑をかける事態に発展するケースも少なくありません。特にシニア世代の祖父母にとって、マナーやルールを無視して暴れる孫と、それを容認する子ども夫婦の姿勢は耐え難いストレスとなり得ます。現代の子育てトレンドが招いた世代間の意識ギャップと、高齢者の生活を守るための境界線について解説します。
(※画像はイメージです/PIXTA)
「なにが叱らない育児だ、くだらん!」静まり返る実家のリビング…年金月17万円・69歳男性が“愛する孫”を怒鳴りつけたワケ
「血のつながり」よりも大切なもの
世間が美化する「理想の祖父母像」や、「孫には無条件で愛情を注がなければならない」といった風潮は、たしかに美しいです。
ただ、どれほど血のつながった身内であっても、相手の領域に対する敬意や、最低限のマナーを欠いた関係であれば、毅然とした態度で距離を置くことが、自身の心身の健康と財産を守ることにつながります。
親の善意や我慢を「当たり前のもの」と勘違いしている子どもに対しては、早い段階で明確な意思を示す。その結果、これまでの関係性が維持できなくなるとしても、今後ずっと我慢していく人生と比べてどちらが生きやすいでしょうか。
シゲノリさんは現在、静まり返った実家で、誰に気を遣うこともなく趣味の時間を再開しています。
「最初は、孫たちを追い返してしまったという罪悪感もありました。ですが、精神的な平穏を守るためには必要なことだったと考えるようにしています。これからは娘たちのためではなく、自分のために時間とお金を使っていくつもりです」
限られた時間とお金を、身勝手な身内のためではなく、自分のために使う……それが、本当の意味での“自立した老後”なのかもしれません。
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