定年後のセカンドライフとして関心が高まっている「地方移住」。シニアの約4割が住み替えに意欲的な一方、資金や環境への不安から躊躇する人も多いのが実情です。そこで今回は、全世代の検索数から独自集計した「国内移住先ベスト3」を発表。理想の暮らしを実現するための、後悔のない街選びのヒントをみていきます。
独自集計!人気の「国内移住先」ベスト3
セカンドライフは都会を離れて――そう考えるようになったとしても、日本全国、魅力的なところばかり。どこに移住しようか迷ってしまい、なかなか前に進まない、という人も多いのでは。そこで、月間の検索データから「国内移住先」を独自集計。ベスト3を発表します。移住に興味・関心の高い人たちから、人気のエリアは、どこなのでしょうか。早速、第3位から発表します。
第3位:北海道(月間検索数:8,703)
第3位にランクインしたのは北海道です。どこまでも続く広大な風景、新鮮な海の幸やブランド牛、農産物など、圧倒的なスケールの自然と食の豊かさが人々を惹きつけてやみません。また、梅雨がなく夏は湿度が低くて過ごしやすいため、避暑地としても最高です。
シニア世代が北海道へ移住するにあたり、最も懸念されるのは「冬の厳しい寒さ」と「雪かき」です。しかし、住まいの選び方次第で快適に過ごすことが可能です。たとえば、札幌市や旭川市など都市部のマンションを選べば、除雪の負担を減らすことができます。
また、シニア世代に特におすすめなのが「沼田町」や「深川市」。沼田町は、生活に必要な施設を駅の半径約500m圏内に集約した「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」を進めており、車がなくても生活しやすい点がシニアに支持されています。深川市は複数の総合病院や診療所があり、医療機関が充実しているため安心感があります。
北海道では、一定の要件を満たすことで世帯で最大100万円(単身60万円)が支給される「移住支援金」制度が用意されています。また、多くの自治体が「ちょっと暮らし」と呼ばれるお試し移住用の体験住宅を提供。まずは冬の北海道を体験してから本格的な移住を決めるのが、後悔しないコツです。
第2位:長野県(月間検索数:10,545)
第2位は長野県。軽井沢や松本、安曇野など、全国に名を知られるリゾートや歴史ある街が多く、北陸新幹線や高速バスなど首都圏からのアクセスの良さも抜群です。
長野県は、野菜の摂取量や美術館・博物館の数、温泉の数などで全国トップクラスを誇り、健康長寿県としても有名です。四季折々の自然に囲まれ、湿度の低いカラッとした気候はシニアの体にも優しいといわれています。
特にシニアに人気なのが「佐久市」や「辰野町」。佐久市は「地域医療の先進地」として知られ、人口あたりの医師数が多く高度な医療が受けられるため、老後の安心感は絶大です。また、辰野町は空き家バンクを活用してリノベーションを楽しむシニア移住者が多く、地元住民と移住者が交流しやすい温かいコミュニティが魅力です。
長野県でも最大100万円の「UIJターン就業・創業移住支援金」が用意されているほか、各自治体が独自に空き家の改修費や家財処分費を補助する制度を設けています。また、移住前に地域の人との交流や、買い物の利便性を確かめられるオーダーメイド型の体験プランを用意している自治体もあります。
第1位:沖縄県(月間検索数:28,022)
堂々の第1位に輝いたのは、2位に倍以上の差をつけた沖縄県です。エメラルドグリーンに輝くサンゴ礁の海、独自の琉球文化、そして何より一年を通して温暖な気候が、圧倒的な支持を集めました。花粉症から解放されるという点も、アクティブシニアにとっては見逃せないポイントです。
冬の寒さや雪かきと無縁の沖縄は、のんびりとスローライフを送りたいシニアにとって憧れの地。ただし、注意点もあります。沖縄は一部を除いて完全な車社会であること、そして台風対策や「塩害・カビ」への対策が欠かせないことです。
老後の移住先としておすすめなのは、県庁所在地の「那覇市」や隣接する「浦添市」。那覇市は沖縄都市モノレール(ゆいレール)が走っており、車がなくても生活が可能で、総合病院や大型スーパーなど生活インフラが完璧に整っています。利便性を確保しつつ、日常的に沖縄の海や文化を楽しめる「都市型移住」がシニアには安心です。
そんな沖縄県では、東京圏からの高額な移住支援金の対象となる市町村は一部離島などに限定的ですが、その分「お試し移住施設」や「移住体験ツアー」などの滞在支援が非常に充実しています。憧れだけで決めるのではなく、実際に数週間から1ヵ月ほど滞在し、夏の暑さや日々の買い物環境、湿気の具合などを体感してから決断することが強く推奨されています。
老後の住み替えを成功させるために
検索数ランキングでは、第4位「群馬」、第5位「福岡」など、気候も風土もまったく異なる地域が上位にランクインしました。
高齢になってからの移住は、第二の人生を彩る素晴らしい挑戦です。しかし、医療機関へのアクセスや日常の買い物のしやすさ、冬の気候などは、若い頃以上にシビアに確認する必要があります。
移住を成功させる最大のコツは「事前のお試し移住」。まずは気になった地域に数週間滞在し、スーパーまでの道のりや病院の場所をご自身の足で歩いて確かめてみましょう。
また完全移住か、二拠点生活か、というのもしっかりと考えておきたいもの。移住先での生活にひと区切りをつけたいと思ったときに、戻れる場所があるかないかは大きなポイントです。選択肢を広く持ち、事前の体験を重ねることで、後悔のない決断が可能になります。