消費者庁「令和7年版消費者白書」によると、 2024年度の消費生活相談件数は約90万件で、うち65歳以上の高齢者からの相談が29.8万件(33.1%)を占めています。では、自分や自分の家族がトラブルに巻き込まれた場合、どう対処すればよいのでしょうか。弁護士に聞きました。
なにかの間違いであってくれ…年収900万円の55歳男性が半年ぶりに訪ねた実家で“膝から崩れ落ちた”ワケ。原因は「80歳父の書斎で見つけた」1枚の契約書【弁護士の助言】
契約解除は可能?弁護士の回答
本件のようなリフォーム契約では、実務上「代金を支払う前か後か」によって、最終的な金銭的結果が“天と地ほど変わる”ことがあります。
まず、代金支払い前であれば、検討すべきはクーリング・オフです。業者が自宅を訪問して勧誘し、その場で契約したような場合、特定商取引法上の訪問販売にあたり、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、原則として無条件で契約を解除できます。
仮にクーリング・オフが難しい場合でも、すぐに諦める必要はありません。契約書に「解約時は工事代金の30%を違約金として支払う」と記載されていても、消費者契約法上、事業者に生じる「平均的な損害額」(※)を超える部分は無効とされる可能性があります。
(※)平均的な損害額とは、同じ類型の事業者が締結する同種の契約について解除された場合に、その事業者に通常生じる損害の平均を意味する。実務上は、取引の類型や工事の進捗状況などを踏まえた相場観により、契約書の定めが修正されるイメージ。
したがって、実際に工事が始まっていない、材料発注も限定的であるといった事情があれば、違約金を大幅に抑えられる余地があります。
一方、すでに代金を支払ってしまった後は、状況が大きく変わります。法的にはクーリング・オフや取消により返金請求できる可能性があっても、相手業者が任意に返金しなければ、交渉や訴訟による回収が必要になります。
その場合、回収額に比べて時間や弁護士費用などの手続コストが重く、実務上は泣き寝入りに近い解決を迫られることも少なくありません。
だからこそ、この種の訪問リフォーム契約では、少しでも不審に感じた時点で、支払う前に止まることが重要です。
工事内容が「一式」ばかりで曖昧、当日契約を強く迫る、大幅値引きを強調する、こうした事情がある場合にはその場で判断せず、家族や専門家、消費生活センターに相談しましょう。
山村 暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士
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