厚生労働省「人口動態統計」によると、日本の離婚件数は2002年をピークに減少傾向にある一方、離婚全体に占める「熟年離婚」の割合は上昇しています。離婚にいたる理由として、どちらか片方の「夢」が、夫婦関係を継続するうえで障害となるケースもあるようです。朝日新聞取材班の著書『ルポ 熟年離婚』(朝日新聞出版)より、家庭を顧みず夢を追い続けた夫のもとで、長年すれ違いに苦しんだ55歳女性の事例を紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
アンタが言うのか…「夢は指導者として甲子園に出ること」5歳年下の熱血男性と結婚した30歳女性、20年後に離婚を切り出され“思わず笑ってしまった”ワケ【ルポ熟年離婚】
「身勝手」だけでは離婚事由に該当しない
夫が相談もなく、会社を辞めて起業した。突然、妻の両親との同居を強いられた……。夫や妻の「身勝手な言動」は、相手からすれば不信感をかきたて、収入減などを伴うと、気持ちが離婚に傾きかねない。
だが、弁護士法人ALG&Associatesの谷川聖治弁護士は「身勝手な言動を理由に裁判に訴えても、離婚が認められる可能性は高くない」と話す。
裁判で離婚が認められるのは、
▽不貞行為
▽悪意の遺棄(配偶者に生活費を渡さないなど)
▽3年以上の生死不明
▽婚姻を継続し難い重大な事由がある
などに該当するケースだ。
夫が脱サラ起業したとしても、生活費を渡し続けるなどしていれば、夫婦関係の維持に努めているとして、離婚は認められにくいという。
谷川弁護士は「夫婦関係は甘えも生じやすいが、『お互い様』が原則。いきなり身勝手を突きつけるのでなく、事前に相談する配慮を双方が持ってほしい」とアドバイスする。
朝日新聞取材班