ロシア人の妻と幼い子ども2人を抱えながら、アメリカ・NYで肉体労働(大工)を主な仕事として生活を送る日本人“地獄海外難民”氏。現地での生活はなかなかに厳しく、「日本に戻ってくれば?」と言われることもあるとか。それでもアメリカに住み続ける理由とは……。YouTubeも話題の著者による『底辺の大工、ヤバいアメリカで生きのびる 絶望の中で見つけた「自分を見失わない」方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編してご紹介します。 ※写真はイメージであり、実際の住まいではありません。
肉体労働・低収入にあえぎながら「家賃28万円」を払いアメリカで生きる…「日本に戻れば?」の声にも帰国をしない“納得の理由”【人気YouTuberが語る】
「日本に帰ってくればいい」と言われても、アメリカで暮らすワケ
また、日本に帰って来ればいいという声もあります。日本に帰らない理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由は、僕に家族や身寄りがないからです。
実は、僕は幼少期、中国人の母親1人に育てられ、日本人の父とは5歳以降、一度も会っていません。異国で女手一つで僕を育てるつらさからか、母は次第にアルコールに溺れるようになり、僕は虐待やネグレクトを受けて育ちました。
18歳までは児童養護施設へ出たり入ったりを繰り返し、高校卒業後に新聞奨学生制度(新聞配達をする代わりに新聞社が学費や宿舎などを提供する制度)を利用して、家を出ることができました。介護・保育の専門学校を卒業し、22歳で社会人に。
その後、母とはメールで数回連絡を取ったことはありますが、今は一切、連絡を取っていません。母は僕が今、結婚していることも、子どもがいることも知らないし、まさか僕がアメリカに住んでいるなんて思ってもいないでしょう。
難民家の子どもたちは、アメリカのおじいちゃんやおばあちゃん、親戚の方々が大好きです。彼らから家族を奪う権利は僕にはないと思っています。
僕は無能でお金もない男ですが、どんなに生活が苦しくても自分と同じ思いを子どもにさせたくはないので、アメリカに残ると決めました。
「日本の方が暮らしやすい」という自分の都合で、子どもを家族から引き離したくないのです。
地獄海外難民