葬儀が終わった後、遺族に待っているのが「お墓の準備」。事務的な手続きをすることも多いため、事前に流れを知っておくことが大切です。相続コーディネイターである曽根 恵子氏の著書『2025年版[図解]身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本』(扶桑社)より、お墓を買うときに必要な手続きについて、詳しくみていきましょう。
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葬儀を終えたあとのお金の処理に要注意
葬儀が終わると、遺族は一息つけると思ってしまいますが、実際はお金の処理や次の法要の準備など、やらなければならないことが山積みです。
具体的には、世話役や葬儀社が管理していた香典帳や供物帳を引き継ぎ、お金の処理を行います。なお僧侶や寺院へのお布施は、通夜の際に「戒名と読経のお礼」として渡すのが一般的です。お礼の金額はいくらと決まっているものではないので、迷った際は葬儀社や檀だん家か総代に相談してみましょう。
葬儀の数日後には葬儀社から請求書が届くので、確認して支払います。このとき、明細を確認して、不明な点がある場合や、見積もりと異なる点があれば早めに問い合わせましょう。また、葬儀代の領収書は相続税の控除申請で必要となるので保管しておきましょう。
一周忌のときに家族で法要の回数を決めておく
葬儀のあと、おもな法要として「初七日法要」「四十九日法要」「一周忌」が行われます。かつては、葬儀から7日ごとに法要が行われましたが、近年では初七日の法要は簡略化されて葬儀とともに行われ、次に四十九日の法要が行われることが一般的です。
仏教では、人の死後に魂が現世に留まっている期間を忌中といい、四十九日にその忌が明けるため、四十九日の法要を忌明け法要とよぶこともあります。四十九日の法要では、菩提寺や自宅に遺族や友人が集まり、読経をしたあとに会食をして故人を偲びます。こ
の法要によって忌が明け、故人は冥途へと旅立ちます。納骨はこのときに行うのが一般的です。新しく墓を建てた場合は、僧侶に開眼供養をしてもらいます。なお、多くの宗派ではこのとき、白木位牌を本位牌に変えます。その後は、死後満1年目の一周忌、満2年目に行う三回忌と、法要が続きます。
ただし、故人の友人・知人を招くのは三回忌までで、そのあとの法要は多くの場合、身内のみで行われます。
こうした法要が終わるのは、一般的に死後満32年目に当たる三十三回忌。一周忌のときに、どこまで法要を行うかを家族で決めておきましょう。