終活支援に取り組む自治体も続々

自治体も頼りになる存在です。なかでも70歳を過ぎたら、ぜひ足を運んでほしいのが「地域包括支援センター」。いわゆる高齢者の介護や見守りを支援する総合案内窓口です。
もともと国は、2025年を目標に高齢者が自宅で介護や医療のサービスを受けられる「地域包括ケアシステム」を整備してきました。地域包括支援センターは、その一環。その他、生活支援や介護予防もサポートしています。こうした地域包括ケアに力を入れている自治体もありますが、終活支援に力を入れている自治体もあります。

そもそも墓地埋葬法第9条では、引き取り手のない遺体は自治体の費用で、火葬(または土葬)すると定められています。横須賀市は、行政による終活支援の先駆け的存在。葬儀や納骨の相談や安否確認の訪問などを行う「エンディングプラン・サポート事業」、緊急連絡先や遺言の保管場所などの終活情報を登録し、いざという時に市が代理で問い合わせに答える「終活情報登録伝達事業」の2本柱を実施しています。

横須賀市をモデルに終活支援を整える自治体も増えつつあります。またエンディングノートを作成、配布している自治体も数多くあります。お住まいの自治体の支援内容をぜひ調べてみましょう。

死後の面倒をまとめて任せられる信託

行政に頼れない場合は、民間に頼る事ができます。そのひとつが三井住友信託銀行の「おひとりさま信託」。事前に料金を預けておく事で、葬儀や埋葬、デジタル遺品や家財などの整理、訃報連絡など、さまざまな死後事務をまとめて依頼できる死後事務委任契約です。

実際の契約は、一般社団法人安心サポートと結び、契約時は「未来の縁-ing(エンディング)ノート」を作成し、三井住友銀行が電子媒体で管理します。亡くなったら通知人から安心サポートに連絡が行き、縁-ingノートをもとに指定された死後事務を行ってもらえます。

ただし、委任する内容によって費用金額が異なるため、おひとりさま信託の残高の範囲内から支払われるように準備しておきます。余ったお金は、指定した帰属権利者に払われます。ややこしい死後事務をまとめて頼める信託は「周りに迷惑をかけたくない」とおひとりさまでない人からも人気だとか。

漫画:なとみみわ

記事:池田純子