※屋久島移住歴22年の現地ガイドを取材…第1回の記事はこちらから

屋久島の「まだ知られていない自然」に触れる

近年、リモートワークの普及によって、複数の拠点で生活したり、副業で地域創生プロジェクトに参画したりと、ライフ・ワークスタイルの多様化がみられます。こうした社会的背景をふまえ、学びを通して地域とつながる、という新たな旅の形を提案したのが「旅アカデミー」です。

屋久島は「縄文杉」を筆頭に、大自然と触れ合える観光スポットとして人気です。そこに、学びという意識を持ち、一歩踏み込んで屋久島を観察してみると、人の生活と自然との深い関係性が見えてきます。

昨今、リジェネラティブという言葉を耳にする機会が増えてきました。屋久島はこの取り組みを重視しており、そういう意味では“最先端”の場所です。その点は、旅アカデミーで屋久島を選んだ大きな理由でもあります。屋久島の本質的な魅力を体感することで、自然環境と自分との繋がりに改めて気づきを得ることができると考えています。
※リジェネラティブ(regenerative):環境再生。自然環境をよりよい状態に再生させることを目指す考え方。

“ただの旅行”で終わらせない…「旅×学び」の面白み

旅アカデミーの目的は、屋久島の自然のなかに息づく地元住民の生活や、人との交流を通して、通常の観光では決して得られない“新たな気づき”を参加者に持ち帰ってもらうこと。そして、旅先の地域経済の活性化にも寄与することです。これを実現させるためには「地元との関係人口を増やしていくこと」が第一歩だと考えています。

屋久島の旅アカデミーのテーマは、「リジェネラティブの考え方を学ぶ」ことです。当社ではこの考え方を大切にしながら、精力的に活動しているガイドと参加者とを繋ぎます。

ツアーの前には、事前オンラインセミナーを開催。そこでは、屋久島とはどのような島なのかを地元ガイドが解説します。参加者は、屋久島に対する理解を深めたうえでフィールドワークとして現地に向かい、地元ガイドや他の参加者と共に、森や海辺の散策、焚火などのワークを体験。ワークを通して「リジェネラティブ」について考え、意見を交換しあうことで、観光者として訪れるだけでは得られない新たな気づきに出会えるのです。

参加者みんなでワークを体験。その後、それぞれが感じたことを意見交換
参加者全員でフィールドワーク。その後、各々が感じたことを意見交換する。

ツアー先へ伺った際、地元の方からは「100万人が1回来るよりも、10万人に10回来てもらいたい」という言葉を頻繁に聞きます。1回きりで終わってしまう関係性ではなく、ツアーをきかっけにして、地域と参加者が互いに発展していけるような繋がりを作ることは、当社のゴールでもあります。

私個人の経験ですが、ツアーを通して繋がった地元の方が新しいプロジェクトのために、クラウドファンディングを開催することを知り、是非力になりたいと協力したことがありました。応援したいという気持ちが自然に生まれてくる関係性はとても貴重だなと改めて感じた瞬間でした。

実際、過去のツアー参加者も、地元の方や参加者同士で関係性を深め、個人的に連絡先を交換する方が多いようです。ツアーが終わっても、それぞれ個人的につながっているという話を聞きました。このツアーが、次に繋がるための「きっかけ作りの場」になれたら嬉しく思います。

 変わりゆく価値観…消費は“モノ”から“コト”へ

当社では、コロナ禍をきっかけに「自己投資」や「学び」にお金をかける人が増えていると考えています。観光業界においても、単なる観光ではなく、付加価値を求める人が増えているように肌で感じています。旅に学びを取り入れた形式自体は従来からありますが、学びを主軸にした旅アカデミーのようなツアーは、新たな旅の形というだけでなく「新たな学びの形」として、今後需要が高まっていくと考えています。

単なる観光ではなく、その土地のことをしっかりと学ぶことができる。 ※撮影:幻冬舎ゴールドオンライン編集部
単なる観光ではなく、その土地のことをしっかりと学ぶことができる。
※撮影:幻冬舎ゴールドオンライン編集部

旅アカデミーは、いわゆる通常のパッケージツアーとは異なり「高付加価値・高価格」になる場合が多いです。また、地域で活躍するプレイヤーとの対話やシェアリングを大切にしています。そのため、「単なる観光では物足りない」という知的好奇心が旺盛な方、そしてなにより、定年後のライフプランを検討しているような60代の方に最適だと考えます。

屋久島ではありませんでしたが、以前、もうすぐ定年を迎えるという方(以降、Aさん)が旅アカデミーに参加されました。Aさんは香川県三豊市で開催された「地方の街づくりビジネスを学ぶ」というテーマのツアーに、地方の街づくりに興味を持たれて参加したということでした。

Aさんは、ツアーを通して三豊という地域の魅力に気づき、今後は不動産などのビジネスの観点から三豊と関わることを検討しているそうです。ツアーの参加者と地域とが深くつながりあった事例として印象的でした。

“旅のプロ”がすすめるツアーの選び方

近年、リタイヤ後の楽しみとして旅行を挙げるシニア世代が増えています。そんなアクティブな60代の方には、「旅アカデミー」はもちろん「アドベンチャートラベル」もおすすめです。

「旅アカデミー」が学びや現地の方との繋がりを大切にしている一方、「アドベンチャートラベル」は自然のなかでのアクティビティなどを通して、通常の旅よりも深い現地での体験をして「心を動く旅」をコンセプトとしています。

現在、アドベンチャートラベルは北海道から沖縄まで全国各地で開催中です。過去に好評だったのは、世界的に活躍する写真家の方をガイドとして迎えた北海道の鶴居村のツアーでした。冬の早朝の幻想的な空気の中、静かに美しく舞うタンチョウ。プロの写真家からレクチャーを受けながら、タンチョウの飛び立つ瞬間をシャッターに納めることができるのは、通常のツアーではなかなかできない体験です。

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

ツアーの選び方としては、エリア別に選ぶほか、何をテーマにしたいのか、どんな体験をしたいのかを意識されると良いと思います。 季節や状況よって内容が変更されることがあるので、ピンと来たものがあれば、早めに検討されるのをおすすめします。

当社は定期的に、期間限定で旅のタイムセールも実施しているので、それも上手に活用いただきたいです。最近では、ふるさと納税の返礼品として旅行クーポンを提供している「JALふるさと納税」も拡充中。お得に旅ができる面白い仕組みだと好評です。

近年、ツアーの形は色々と進化してきました。ご自身の目的に合わせてツアーを選び、存分に楽しんでいただきだいです。初めて見る景色や体験には、いくつになっても心が躍るものです。旅が人生に彩を添える一助になっていれば嬉しく思います。