「Excelで数式をコピーしたら、エラーだらけになってしまった」。これはExcel初心者の誰もが通る道です。なぜエラーが出てしまうのか、エラーを防ぐにはどうすればよいのか。『マンガでわかる Excel』(2020年刊行、KADOKAWA)より一部を抜粋し、わかりやすく解説します。
<前回記事>
【マンガでわかるExcel】関数を学ぶ前に、まずはこれ!「5つの記号」と「入力方法」を覚えよう
登場人物紹介
数式をコピーしたらエラーだらけに!?
【解説】セル参照を理解する
数式で計算するときは、値を直接入力せず、値が入力されたセルを参照させるのが一般的です。セル参照の方法について理解しましょう。
■相対参照とは?
Excelは、「現在のセルから見た位置関係」を基準にセルを参照します。これを「相対参照」といいます。
例えばB1セルに「=A1」と入れると、「B1セルの1つ左のセルを参照せよ」と解釈します。そのため、B1セルの数式をB2セルにコピーすると、「B2セルの1つ左のセル、つまり『A2』を参照せよ」と解釈します(図表1)。
■絶対参照とは?
どのセルからも常に同じセルを参照したいときは、「絶対参照」を使用します。絶対参照では、参照したいセルの行番号・列番号の前に「$」を付けて固定します。これで、数式をどのセルにコピーしても、同じセルを参照し続けます(図表2)。
★「$」は【shift】+【4】で入力できます。
■複合参照とは?
九九の表や、距離と重量で値段が決まる宅配便の料金表のように、セルの行・列のどちらかの値を固定し、もう片方の値を変化させて計算する集計表を「マトリクス型の表」と言います。こうした表では、相対参照と絶対参照を組み合わせた「複合参照」を利用します。複合参照では、固定させたい行(または列)だけに「$」を入力します(図表3・4)。
【監修】羽毛田 睦土
公認会計士・税理士。羽毛田睦土公認会計士・税理士事務所所長。合同会社アクト・コンサルティング代表社員。東京大学理学部数学科を卒業後、デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現アビームコンサルティング株式会社)、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)勤務を経て独立。現在は、エクセルの研修を行う他、エクセルVBAやGASのプログラム開発なども行っている。おもな著書に『関数は「使える順」に極めよう! Excel 最高の学び方』(インプレス)など。
【漫画】あきば さやか
宮城県出身・東京都在住。仙台の広告代理店で、5年間企画営業として勤務後、イラストレーターに。 2015年から独身会社員時代のしくじり体験をもとにした4コマ漫画「しくじりヤマコ」を SNS上で発信。働く女性を中心に共感を呼ぶ。現在は結婚・出産し、仕事と育児の両立に奮闘中。そんな日々の様子をブログでも更新している。おもな著書に『服はあるのにキマらない! ~おしゃれ迷子共感系日記~』、『おしゃれなママっていわれたい!』(ともにマイナビ出版)、『スパ あんこうの胃袋』『マンガでわかる プレゼン・資料作成』(ともにKADOKAWA)など。