太陽光発電収益の最大化——現状の監視システムの問題点

本連載は、アドラーソーラーワークス株式会社・技術運用管理部次長の小野裕一氏が、太陽光発電所の発電ロスを未然に防ぐために必要な「監視システム」の構築改善について解説します。

発電所全体の長期的な稼働率を上げるには…

太陽光発電所を効率的に運用・保守し、できるだけ不具合・障害等による発電停止期間を短くすることで発電所全体の長期的な稼働率を上げ、発電収益を最大限に確保するためには、状況に応じた適切かつ迅速な判断・処置を行う必要がある。そのために監視装置(システム)は欠かすことができない。監視装置から得られる発電所からの様々なメッセージ(各種アラート、稼働状況など)を見逃すことなく、適切に対応することで常に発電所の健全性の維持を心掛ける必要がある。

 

本連載では、監視装置(システム)の現状の問題点を考え、求められる今後の在り方について考察する。また、本稿については、一部システムメーカー側に対する提言と捉えられる記載があることを予めご了承いただきたい。

メーカーにより異なるオペレーションシステムが存在

弊社では、常時監視し、管理している発電所が現状70箇所ほどあるが、主要な監視システムが2~3種類ほどで、その他は様々な会社が提供する監視システムを並行して利用している。当然ながらシステム毎に各種設定方法、エラーログの見方、発電量の確認方法、グラフ作成方法、CSV形式等によるデータダウンロードの仕方、等のオペレーション方法がそれぞれ異なる。


そのため、オペレータは様々なオペレーション方法を一通りマスターしないと満足に監視ができず、不具合発生時の対処方法などの判断もできない。O&Mを実施するにあたり、この点は非常に負荷となり、また、複数の発電所のオーナーにとっては、それぞれのエラーログを理解するのがほぼ不可能であり、非常に扱いにくいものとなっている。


各社・各機器それぞれに内部仕様が異なり、またオペレーション方法(使い勝手の良さ)については各社で特色を出そうとする考えもあるので、仕方ない部分もあるのだが、利用者側からすればもう少しシンプルで、統一的な操作感、考え方で利用したい。そして管理対象の全発電所をもっと簡便に監視でき、不具合対処の判断ができるようになって欲しい。そうすることによって、管理効率が上がり、お客様の利益にもつながる。

 

今後、監視システム、パワコンを始め、太陽光発電関連機器メーカーにて、共通のデータ管理基準、業界標準などを定めて、システムの相互接続性を高めることや、操作性の統一を図る動きがもっと加速されることを期待したい。

 

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連載太陽光発電所の発電ロスを未然に防ぐ~監視システムの構築改善

アドラーソーラーワークス株式会社 技術運用管理部次長

1993年東京理科大学工学修士(電子応用工学)
電話局間の光伝送装置の方式設計、IT通信機器(ルータ、Fire Wall等)のシステムエンジニア、社内イントラネットサーバーの運用管理、携帯電話基地局・TD LTE機器の工事サポート/運用保守等の業界を経て、太陽光発電業界に。
現在は主に太陽光発電システムのオペレーション&メンテナンスの業務に従事。

著者紹介

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