今回は、戸籍を窓口・郵便で申請する際に必要なものを確認します。※本連載は、行政書士の橋本雅幸先生の著書、『江戸時代の先祖と出会 自分でつくれる200年家系図』(旬報社)の中から一部を抜粋し、家系図をつくるうえでもっとも重要となる「戸籍」についての基礎知識をお伝えします。

必要書類と手数料(定額小為替)を郵送することも可能

さて、窓口で戸籍請求する際は、所定の申請書に加え、本人確認書類(運転免許証や健康保険証)、さらに自分以外の戸籍を申請する際は、あなたとの続柄がわかるよう、これまで取得したすべての戸籍も必要となります。これは申請書に記載する先祖が直系であることを証明するものとなります。


加えて、受け取りの際には取得費用(一通あたり現戸籍は四五〇円、除籍・改製原戸籍は七五〇円)が必要となります。申請するとほとんどの場合、即日発行してもらえます。


なお、戸籍をさかのぼっていくと、戸籍を保管している市区町村が自分の居住地から遠方にあることもよくもあります。その場合は書類と手数料を郵送すればよく、窓口に直接出向くのと基本的に提出書類は変わりません。


ただし、郵送する場合は現金を封書に入れることはできませんので、定額小為替を同封します。申請の時点では戸籍が何通発行されるかわかりません。そのため、金額を多めに同封すれば、差額を返送してもらうことがでます。もし足りない場合は連絡があり、追加で送付することとなります。

1~2週間で手元に届く郵便での申請

申請書、取得費用のほかに切手を貼った返信用封筒も同封します。本人確認書類は運転免許証や健康保険証のコピーなどで結構です。また、これまで取得した戸籍のコピーも同封します。郵送で戸籍を申請する場合、届くまでおよそ一~二週間ほどかかります。

 

戸籍はスムーズな請求ができるよう、必要書類を事前に電話確認をするのがおすすめです。また、役所から連絡があった場合に対応できるよう、日中連絡のとれる電話番号を必
ず申請書に書いておきます。

 

 +α  市町村合併がされていたら?

平成の大合併をはじめ、過去には全国各地で市町村合併が数多く起こりました。そのため、現在は存在しないのに過去にあった自治体名を戸籍で見かけることもしばしばあります。むしろ、時代をさかのぼるほど、戸籍を保管していた自治体はほとんど変わってしまっているといってもよいでしょう。

 

以前の市区町村の名前や場所を調べるには、かつてその役所があったと思われる都道府県内の近隣の役所に問い合わせてみましょう。パソコンをお使いでしたら、インターネット百科事典『ウィキペディア』で検索して合併後の市町村名をおおよそ絞り込んでみるのもひとつの方法です。それらの情報もとに自治体に問い合わせてみましょう。

 

●窓口での戸籍申請に必要なもの

●郵送での戸籍交付申請に必要なもの

1申請書
自治体所定または自作の申請書。

 

2小為替

郵便局で購入。定額小為替には記名押印せずそのまま送る。申請時点では戸籍が何通になるかわからないので、多めに送るのがよい。余った分は小為替で返金される。

3切手を貼った返信用封筒

申請時点では戸籍の枚数(重さ)がわからず、郵便料金も確定していない。そのため、切
手を貼り、「不足料金受取人払い」と赤字で封筒に書いておくと、切手不足で役所に返送されずに届けてもらえる。 

 

4本人確認書類のコピー

運転免許証や健康保険証などのコピーを送る。顔写真付きのものであれば確実だが、健康保険証でもまず問題ない。念のため申請する役所に事前確認するのがよい。

 

5申請者との続柄がわかる戸籍のコピー

欲しい人物とのつながりがわかる戸籍をすべて提出する。たとえば祖父の戸籍がほしい場合、自分と父の戸籍のコピーが必要となる。ごくまれに戸籍原本を要求される場合があるが、確認後に返却してもらえる。

江戸時代の先祖と出会う 自分でつくれる200年家系図

江戸時代の先祖と出会う 自分でつくれる200年家系図

橋本 雅幸

旬報社

江戸の先祖から続く200年家系図を作ってみませんか? 大きな活字で読みやすく、イラストや図版も豊富。架空の江戸家8代200年にわたる戸籍をさかのぼりながら解説します。出版社のHPより実物大の戸籍がダウンロード可能。手…

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