(※画像はイメージです/PIXTA)

日本の持ち家率は6割超え。マイホーム志向が低下しているとはいえ、家を買おうと奮闘する日本人は多く存在します。しかし家は「買ってしまえばそれで終わり」というものではありません。国土交通省の統計資料から、「昨今のリフォーム事情」を紐解いていきます。

新築一戸建て「30年後にはリフォーム」が必要だが…

41歳の会社員。世帯平均年収は801万円で、念願の新築一戸建てを5,436万円で建てる。銀行から3,772万円の住宅ローンを借り、返済期間は30年以上……。

 

国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』からみえる、新築一戸建てを建てた方の平均像です。月々10万円強の返済が終わる頃には70代半ば。定年を迎え、公的年金を頼りにして暮らす日々……そんなときにようやく、住宅ローンから解放される、というのが、一般的といえるわけです。

 

しかし家にかかる支出はこれだけではありません。もちろんローン返済中にも、屋根や外壁など、定期的に修繕を行う必要はありますし、築30年を超えた高齢夫婦の住まいとなるとそれなりのリフォームを考えたくなるはずです。

 

前出の調査によれば、リフォームする住宅の平均築後年数は築29.7年。「初めてのリフォーム」が最も多く、36.7%。一方で「5年以内にリフォームをしたばかり」である人が「初めて」に次いで24.3%もいます。こまめな修繕が家を長持ちさせるコツと言われるので、これは納得の結果でしょうか。

 

ローンを完済する頃に高齢となった方々は、その後の自分たちが快適に暮らせるようにリフォームを考えることも多いでしょう。リフォームの動機として「家族や自分の老後に備えるため」は9.4%、「介護のため」は5.6%という結果です。

 

コロナ禍を経て、年齢が若くともリフォームを行った方は多いはずです。今後、老後に備えたリフォームはますます増えることが予想されます。令和2年度の調査では「家族や自分の老後に備えるため」は8.0%、「介護のため」は3.8%だったので、徐々に老後に備えたリフォームが増えていることがうかがえます。

 

高齢者対応設備が整備されている割合をリフォーム前後で比較すると、個々の設備でリフォーム後の整備率が高くなっており、「手すり」は19.5%から25.4%へ、 「段差のない室内」は12.7%から15.1%へ、「浴室・トイレの暖房」は15.5%から21.9%へ上昇しています。

 

冬の入浴時にはヒートショック(家の室温差で、心臓や脳に負担がかかること)発生のリスクが高く、特に高齢者にとって深刻な問題となっているので、暖房の整備も高齢者対応のために不可欠です。

 

「リフォーム資金の平均」は206万円。そのうち「平均借入金」は53万円、「平均返済期間」は16.1年です。その多くを「民間金融機関」から借り入れています。

次ページ70代で家をリフォーム…銀行から融資は受けられるか?

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧