必然的に訪れた減配&下落のダブルパンチ
2022年4月、AT&Tは業績の悪化とともに足を引っ張っていたワーナーメディアを切り離し、ついに連続増配をストップ。翌年には配当金を減配しています。
新型コロナで暴落した時は株価26.08ドルで配当利回りは8%近くありましたが、その後下落し続け、2023年時点での株価は高値からマイナス66%以上も下落。そうなると、いくら配当利回りが高くても株価の含み損でトータルは大きくマイナスになってしまいます。配当金も減っていますのでダブルでダメージを食らいます。
一方で、連続増配を止めることで株価が上がるケースもあります。前項で紹介したJT(日本たばこ産業)も2021年に業績悪化に伴い配当金を減配しましたが、これが「悪材料出尽くし」となり、その後株価は大きく反発しています。それまで続けていた連続増配が業績の足かせとなっていたのですが、それが外れたのです。
増配は続けていても業績が下がっていると、「いつか減配するのではないか?」と、投資家が懸念し、結果として株価が下がり続けます。そのため私は連続増配してくれるのはもちろんありがたいのですが、それを根拠に高配当株に投資することはありません。
あくまで配当の根拠となる利益成長があるのか? それが一時的に難しいのであれば、むしろ連続増配はせず配当金は前年と同程度にキープしてくれたらありがたいというくらいのスタンスです。
自分自身が会社経営を4年しているので実感するのですが、オーナー企業ならともかく、あまりに株主など関係者からの要求が強いとどうしても短期的な施策に走りがちです。過度な株主還元は会社の長期ビジョンに影を落とすのです。
児玉一希
株式会社RES 代表取締役
※本記事は『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走