2023年に社長が交代した企業に期待
日本の主要企業の社長は4〜5年で交代することが多いのですが、2023年になって在任期間が長い社長の交代発表が相次ぎました。
PBRが約0.3倍のダイカスト大手のアーレスティは、25年5カ月ぶりの社長交代を発表しました。アーレスティでは創業家出身で、42歳と若い高橋新一社長が就任したので、経営改革を期待したいものです。
アーレスティは2023年7月6日に発表したコーポレートガバナンス報告書に、「成長投資と株主還元、健全性と財務レバレッジを最適にバランスさせる当該財務運営により、ROE9%とPBR1倍の達成を目指してまいります」と記載しました。
PBRが約0.9倍の日本板硝子では、8年ぶりの社長交代が行なわれました。日本板硝子が2023年8月25日に発表したコーポレートガバナンス報告書は31ページと充実しており、原則5-2で「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画RP24の目標達成に向けた取り組みに加えて、次年度から開始される予定の次期中期経営計画の策定においても、十分な現状分析と検討を実施した上で開示する予定としている」と記載しました。
PBRが約0.6倍のマツダでは5年ぶりの社長交代が行なわれました。マツダは2023年8月10日に発表したコーポレートガバナンス報告書で、「資本コストや株価を意識した経営の重要性は認識しており、中期経営計画に指標を掲げている」と述べました。
PBRが約0.9倍のワコールHDは2023年6月に社長に就任した矢島昌明取締役が、決算説明会で「収益性向上と同時に、資産効率、資本効率を改善させることでROEを向上する。成長投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的に株主還元を実施する」と明言しました。
菊地正俊
みずほ証券エクイティ調査部チーフ株式ストラテジスト
※本記事は『低PBR株の逆襲』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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