3,100万円で買ったマンション「隣人が最悪」だった…隣人の存在を“告知しなかった”仲介業者に「損害賠償請求」した結果【弁護士が判例解説】

3,100万円で買ったマンション「隣人が最悪」だった…隣人の存在を“告知しなかった”仲介業者に「損害賠償請求」した結果【弁護士が判例解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人にとって、マイホームは「一生のうち最も高額な買い物」でしょう。しかし、せっかく買ったマイホームの隣人が“最悪”で、しかも仲介業者からその存在を隠されていたら……買主の落胆と怒りは想像に難くありません。では、そのような“迷惑行為を繰り返す隣人の存在”を隠していた仲介業者を訴えた場合、損害賠償を勝ち取れるのでしょうか。弁護士の北村亮典氏が、実際の裁判事例をもとに解説します。

裁判所が下した判決は…

裁判所は、まず570条の「瑕疵」の定義について、

 

「売買の目的物が通常保有すべき品質・性能を欠いていることをいい、目的物に物理的欠陥がある場合だけでなく、目的物の通常の用途に照らし、一般人であれば誰もがその使用の際に心理的に十全な使用を著しく妨げられるという欠陥、すなわち一般人に共通の重大な心理的欠陥がある場合も含むと解される」

 

としたうえで、結果として、裁判所は、本件においては隣室の住民の存在は「瑕疵」には該当しないと判断しました。

 

まず、隣室の住民(判決文では「C」とされています。)の迷惑行為については、

 

「Cは、平成23年頃から頻度にはばらつきはあるものの継続して、昼夜を問わず数分ないし10分程度、物音がうるさいとか物が盗まれたなどと大声を出してベランダで叫ぶ、ラジカセを大音量でかける、壁等を強く叩く、本件マンションの居住者に対し、携帯電話で撮影する、追いかける、意味不明な発言をする、難癖をつける、怒鳴りつけるといった迷惑行為をしていたことが認められ、Cの隣室に居住していた原告は、本件居室で生活する際に、生活音を静かにしたり、外出する際には周囲の様子を伺うなど、一定程度生活や行動に制限を受けていたことは認められる。

 

また、Cの存在は本件居室の購入希望者(仲介業者に対して本件居室の購入につき何らかの関心を示した者。以下同じ)に購入を断られる原因のひとつとなっていたことも認められる」

 

と認定しました。

 

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次ページ裁判所が「瑕疵には該当しない」と判断したワケ

※本記事は、北村亮典氏監修のHP「賃貸・不動産法律問題サポート弁護士相談室」掲載の記事・コラムを、北村氏が再監修のうえGGO編集部で再編集したものです。

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