中高年サラリーマンが頭を抱える「定年後の収入減」…シニア生活をサポートする〈2つの給付金〉とは?【FPが解説】

中高年サラリーマンが頭を抱える「定年後の収入減」…シニア生活をサポートする〈2つの給付金〉とは?【FPが解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

サラリーマンにとって、定年退職後から年金受給開始までの空白期間の収入確保は、非常に頭の痛い問題です。再就職しても、現役時代に近い収入確保は容易ではなく、やむなく退職金や資産を取り崩してしまうケースも見られます。しかし、給付金を利用すれば、生活の不安は軽減できます。※本連載は、頼藤太希氏監修のMOOK『定年後のお金の不安がなくなる本』(晋遊舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

定年後の給付金、思わぬ落とし穴に注意!

高年齢雇用継続給付金を受給することで、定年後の収入減はある程度カバーできる。ただし、賃金が75%未満に低下した場合であっても、各月の給与が支給限度額を上回る場合には受給対象外となるのだ(2023年9月時点の支給限度額は37万452円)。

 

また、注意が必要なのが給付金に加えて年金を受給する場合だ。給付金を含めた給与と年金額の合計額によっては年金額に調整が入り、もらえる年金額がカットされるケースがある。

 

【ポイント2】60歳時点の賃金の70%ほどキープ可能…収入が下がるほど給付率UP!

給与が大きく減るほど、高年齢雇用継続給付金の給付率は増加する。

 

賃金の低下率 = 60歳以降の賃金 ÷ 60歳到達時の賃金 × 100

高年齢雇用継続給付金の給付額 = 60歳以降の賃金 × 給付率

[図表3]

 

[図表4]

 

〈ここもCHECK!〉
年金+給付金のダブル受給で損するケースも

 

[図表5]

 

65歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受給し、高年齢雇用継続給付金ももらう場合は注意が必要だ。高年齢雇用継続給付金の支給率が高いと、年金額の調整が入ることがあり、カット率は最大6%ほど。また、給与と年金の合計額が48万円を超える場合は在職老齢年金の調整も入ることを念頭に置いておこう。

 

 要点まとめ 

 

□ 定年後の収入減をサポートする給付金には2種類ある

□ 給付金は65歳まで支給され、給付率は賃金低下率に応じて変化する

□ 最大で60歳以降の賃金の15%の給付金が給付される

 

頼藤 太希
株式会社Money&You
代表取締役

定年後のお金の不安がなくなる本

定年後のお金の不安がなくなる本

頼藤 太希 監修

晋遊舎

「老後資金2000万円問題」や年金制度改革、昨今の物価高など、定年後のお金に不安を感じる出来事が続いています。 しかし、年金や退職金、資産運用、医療費、家計管理など、やるべきことさえがわかれば、そんな不安も減らせま…

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