商品・サービスの開発に欠かせない「先読み力」
ビジネスでは「先読み力」が大切です。先読み力は「プロダクトライフサイクル」と「イノベーター理論」で、自身の商品サービスがどんな状況かを把握できます。
図を用いながら、わかりやすく解説します([図表2]参照)。
プロダクトサイクル
プロダクトライフサイクルは「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」があり、商品サービスが市場に投入されてから衰退するまで「寿命がある」という考え方です。
【導入期】
サービスを市場に投入する段階。需要も小さく売上げも大きくありません。認知を高めるコストもかかるため、利益はほとんど出ません。
【成長期】
売上げと利益が急拡大する段階。市場に認知が広まり、競合他社も増加します。広告宣伝が機能して拡大しやすい時期です。
【成熟期】
成長が止まり、売上げ、利益とも頭打ちになる段階。顧客維持をしながら、新規サービスを開発することも視野に入れます。
【衰退期】
売上げも利益も減少する段階。撤退時期を考えながら、新規サービスを開発する判断を、すぐにでも迫られる時期です。
イノベーター理論
「イノベーター理論」は「プロダクトライフサイクル」と似ていて、顧客の普及率を示したマーケティング理論になります。
【イノベーター】
情報感度が高く、新しいものを積極的に導入する好奇心を持った層
【アーリーアダプター】
これから普及するかもしれない新サービスにいち早く目をつけて、購入する層
【アーリーマジョリティー】
情報感度は高いものの、新サービスを購入することに慎重な層
【レイトマジョリティー】
新サービスについて消極的で、なかなか購入しない層
【ラガード】
保守的で新サービスに興味・関心を持っていない層
筆者は、「プロダクトライフサイクル」でいうところの「成長期」もしくは「成熟期」の商品サービスであることを推奨します。また、「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティー」に向けての商品サービスであることも必要です。
ここで例として、日本で始めてナイキのバスケットシューズ「エアマックス」を販売した人の話をします。
エアマックスは、最初は日本市場に対しての認知が当然ありません(つまり導入期)。まず当時流行の先端であるカリスマ美容師(つまり「イノベーター」)にエアマックスを取り入れたコーディネートを提案し、流行に敏感な人たちに広がっていきました(つまり「アーリーアダプター」)。
そして「SLAM DUNK」の大ヒットと重なり、市場は急成長し(つまり「成長期」)、多くの人から購入されました(つまり、アーリーマジョリティ)。売上げ44億円のうち、その人には20億円が入ったそうです。そして、ナイキジャパンが販売を始めるタイミング(つまり成熟期)で、エアマックス市場から撤退しました。
あなたが扱っている商品サービスが、今どんな状況なのかを知り、その上でどんな手法がうまくいくのか、それを見抜く「先読み力」が必要となるのです。
草間 淳哉
ブランディングカンパニー 株式会社ウェブエイト
代表