「あがり症・マイナス思考」の人こそ、実は「営業」で成果を上げられる…その納得の理由【元リクルートトップ営業マンが解説】

「あがり症・マイナス思考」の人こそ、実は「営業」で成果を上げられる…その納得の理由【元リクルートトップ営業マンが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「営業職」は明るく元気で人当たりが良いイメージがあります。しかし、実は、「内向的」「口下手」な人にしかできない「静かな営業」の方法があります。リクルートで「無口な営業スタイル」を貫き入社10ヵ月目で営業達成率全国トップになった経験がある渡瀬謙氏による著書『静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる30の戦略』(PHP研究所)から、一部抜粋してご紹介します。

「マイナス思考」をプラスの成果に繋げる方法

◆いつも失敗をおそれていた自分

筆者は基本的にマイナス思考です。何かを始める際には、成功したときのイメージよりも、失敗したときのことをまず思い浮かべます。まあ、成功体験が少なすぎるというのも要因でしょうが。

 

会社の会議などで新しいプランについてみんなで盛り上がっているときでも、

 

「でも、そんなにうまくいくのかな?」「安易に進めないほうがいいんじゃないのかな?」

 

などと冷めたことを考えがちでした。営業の場面でも同じです。

 

「このデータを見せてお客さまがピンと来なかったらどうしよう」「このセリフではお客さまの反感を買う可能性がゼロではない」「このやり方が間違っていたらすべてがムダになる」

 

常にうまくいかないイメージが先行してしまって、言葉や表情にもその自信のなさが表れてしまうのです。

 

また、失敗を極度に恐れ、「考える前に動け!」などと言われても、そう簡単には動けません。そのため、いつも同僚に出遅れてしまっていました。そして、そんな自分がつくづくイヤでした。

 

◆あえてアポを「2日後」にした理由

そんな中、「マイナス思考でいいんだ」と思わせてくれる出来事がありました。

 

あるとき、お客さまから電話がかかってきました。1ページの求人広告を出したいからすぐに来てほしいとのことです。それだけで今週の目標はクリアできます。営業としてはうれしいことですが、そこでまた、マイナス思考が働き始めました。

 

「1ページの広告を出して、効果が出なかったらどうしよう?」

 

せっかく求人広告を出しても、応募が来なければムダ金になってしまいます。そうなったら、お客さまに迷惑をかけてしまいますし、怒って二度と広告を出してくれないかもしれません。

 

そこで筆者はあえて2日後に訪問する約束をして、電話を切りました。確実に広告効果を出すためには、もっと大きな広告を出したほうがいい。そのためには、成功事例を探し、説得材料をしっかり準備してから訪問する必要がある。そこで、「明日1日かけてプレゼンの資料を整えたい。」そう考えたのです。

 

そうして準備を整えて訪問した結果、先方の社長に納得してもらい、2ページの広告を2週連続で出すことに決まりました。当初の予定の4倍の売上です。

 

効果はてきめんで、優秀な人材が採用でき、その後も定期的に広告を出してもらえるようになりました。まさにお互いにとってウィンウィンになったのです。

 

先方の社長も途中で悩んだりしましたが、準備しておいた資料やデータを見せることで納得してもらうことができました。「マイナス思考」だからこそ、社長の気持ちがわかり、それを払拭するための資料を準備できたのです。

 

この成功体験から、筆者はすぐに走り出すよりも、マイナス思考で慎重に準備をしたほうがいいということを学びました。マイナス思考は、自分もお客さまも危険から守る保険のようなものなのです。

 

■POINT

マイナスの想像力を働かせてピンチを未然に防ぐ。

 

 

渡瀬 謙

有限会社ピクトワークス

代表取締役

 

静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる30の戦略

静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる30の戦略

渡瀬 謙

PHP研究所

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