(画像はイメージです/PIXTA)

おひとりさまの終活で盲点になりがちなのが「持ち家」の問題です。対策をたてずに亡くなり、空き家となれば、近隣を巻き込んだトラブルに発展しかねません。どのような注意点があるのでしょうか。遺品整理の問題を含め、見ていきます。※本記事は酒井富士子氏の著書『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

遺品整理、どうする?…業者も選択肢に入れて検討を

自分の死後に残る自宅の管理・処理と切り離せないのが、遺品整理の作業です。持ち家の場合はどうしても遺品整理を後回しにしがちですが、確認したように、自宅の放置は近隣トラブルの原因になるため早い段階で行う必要があります。

 

遺品整理は、①遺族が自力で行う、②遺品整理業者にすべて任せる、③基本的に遺族が自力で行い、残りの難しい部分は業者に依頼する、の3つに分けられます。

 

①が最も低コストですが、ごみの分別や粗大ごみの処理が難しかったり、遺品の一つ一つが気になって作業が進まなかったりというデメリットがあります。この場合、生前に自宅の整理を始めることで遺族の負担を軽減すると良いでしょう。

 

他方、業者はそういったデメリットをカバーしてくれますが、料金や作業の質がまちまちという問題があります。そのため、自分の死後に遺族が慌てて業者を決めてしまわないように、あらかじめ複数の業者を検討し、見積もり作成を依頼するなどして金額や作業内容を比較すると良いでしょう。

 

◆遺品整理の考え方の例

★遺すもの★

 

実務的遺品

●通帳・株券・その他相続税関係書類・領収書類など

 

心情的遺品

●故人の愛用品・日記・手帳・その他メモリアルになるもの

 

※ 宝飾類や骨董などで価値の高いものは相続の対象になる場合がある

 

★処分するもの★

 

●不要品・衣類・生活雑貨・その他

 

★保留するもの★

(時間をかけて検討し、捨てられそうなものから少しずつ処分してゆく)

 

●高価な衣類

●メガネや靴など

●大型家具類

●日用品・蔵書・文具などで愛用品だったものか判断がつかないもの

 

思い出深い物は、自分ではなかなか捨てられません。ただし、遺された人にはやっかいな物。捨てられない物は一つにまとめ、生前は手元に置き、自分の死後は処分など、指示をしておくのも手です。

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP

本連載は、酒井 富士子氏の著書『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

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