70代・独居女性「それじゃあ、明日も来るよ」急増するコンビニ通いのシニア…業界の高齢者獲得競争に潜む“恐ろしすぎるコンビニのワナ”【FPが解説】

70代・独居女性「それじゃあ、明日も来るよ」急増するコンビニ通いのシニア…業界の高齢者獲得競争に潜む“恐ろしすぎるコンビニのワナ”【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

コンビニ業界首位の「セブンイレブン」の来店客は、かつては20代以下の若者利用者が6割程度でしたが、最近は約2割にまで減少。一方50歳以上は5割程度に増加し、中でも65歳以上のシニアが急増していると言われています。…経済アナリスト兼FPである佐藤健太氏は、「コンビニ通いは老後生活に大きな悪影響を及ぼす可能性が高い」と言います。本稿は、佐藤氏の著書『銀行預金しかないあなたのための 何歳からでも間に合う初めての投資術』(ワニブックス)より、一部抜粋して紹介します。

コンビニの恐ろしい「弱点」

しかし、コンビニには「弱点」もあります。それはスーパーに比べて販売価格が高いことです。その理由は、スーパーもコンビニも商品をメーカーから購入して販売していますが、基本的にコンビニはフランチャイズという仕組みで運営されているため、各店舗は利益の一部を本部に納める必要があります。当然、この分は価格設定を高めにして販売することを迫られます。

 

また、24時間営業をすれば人件費や光熱費といったコストも高くなります。メーカーからの仕入れ値も含め、スーパーよりもコンビニ経営にはコストがかかるため、販売価格がどうしても高くなっているのです。実際に買い比べて見ると分かりますが、菓子類や飲料などを10点ほど購入した場合、スーパーに比べて1.3~1.5倍ほど多く支払うことも珍しくはありません。

 

都市部に集中するスーパーと比べれば、食料品や文房具などの購入、公共料金の支払いまで身近にある1つの店で済ませられる点はコンビニ利用の最大のメリットと言えます。しかし、仮に朝・昼・夕の食事をずっとコンビニだけに依存した場合はどうなるでしょうか。


スーパーとの驚愕の差

仮にスーパーよりも販売価格が1.5倍高いとして計算した場合、1回当たりの食費が750円であれば、コンビニには1日に2,250円支払っていることになります。コンビニは定休日がないため、1ヵ月続けると月に6万7,500円。1年間では実に81万円です。これが1回当たり500円のスーパーであれば、単純計算で1日1,500円、月に4万5,000円、1年で54万円となり、その差は27万円にもなります。

 

老後生活の5年間なら差は135万円、10年間では270万円です。もちろん、すべての商品が1.5倍というわけではなく、あくまでも仮定の話にはなりますが、決して小さいものではないでしょう。超高齢社会の到来で利便性が高いコンビニのシニア利用者は今後も増えていくことでしょう。しかし、その際には自らの所得や資産も頭に入れておくのが肝要と言えます。

何歳からでも間に合う初めての投資術 - 銀行預金しかないあなたのための -

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佐藤 健太

ワニブックス

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