熟年離婚しても「年金は半分もらえる」という誤解…。妻が受け取る〈年金受給額〉に驚愕!待っていた“悲惨すぎる末路”【FPが解説】

熟年離婚しても「年金は半分もらえる」という誤解…。妻が受け取る〈年金受給額〉に驚愕!待っていた“悲惨すぎる末路”【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

増加傾向にある「熟年離婚」。窮屈な生活から解放され、豊かな老後を送るため離婚を選択した、という人は多いでしょう。しかし、離婚の際に“年金”に気をつけなければ、ゆとりある老後を送れなくなる可能性があると、経済アナリスト兼FPである佐藤健太氏は言います。本稿では、実際に起こり得る「熟年離婚から“離婚貧乏”への末路」について、佐藤氏の著書『銀行預金しかないあなたのための 何歳からでも間に合う初めての投資術』(ワニブックス)より、一部抜粋して紹介します。

なお、年金分割には「合意分割」と「3号分割」という2つの仕組みがあり、両方に該当する場合は合わせて請求することができます。

 

「合意分割」は、双方の合意を前提に婚姻期間中の標準報酬合計額の最大50%を受けられるものです。分割割合は協議によって変更可能ですが、調整がつかない場合には裁判所に申し立てて決めてもらうことになります。

 

一方の「3号分割」は、妻が専業主婦(国民年金の第3号被保険者)だった場合、2008年4月1日以降の夫の厚生年金加入期間は妻の期間でもあるとみなし、夫の標準報酬(婚姻期間中)の半分が分割されます。こちらは合意なく分割できる上、2つの仕組みに該当する場合は両方とも請求できます。

 

いずれも「離婚後2年以内」に年金事務所に申し出ることが必要となりますので注意しましょう。

「離婚貧乏」という最悪の状況を迎えないために

離婚すれば窮屈な生活や束縛などから解放され、スッキリした気分になることができるかもしれません。しかし、夫は本来もらえるはずだった年金受給額が減り、老後に描いていた「ゆとりのある生活」は送れなくなる可能性が高まります。

 

妻が年金分割で受け取れる分は夫が一般的な会社員のケースで月額3万~5万円程度です。もちろん、専業主婦だった人は自身の老齢基礎年金を受け取ることができますが、2つを足しても月額10万円程度では、決して楽な生活を送れるわけではないでしょう。

 

総務省によると、老後に必要な生活費は独身者で月に約15万円です。離婚や分割協議などで揉めれば裁判費用が必要になり、元妻は老後に夫の収入がなくなれば自分で働く必要も出てきます。

 

夫婦仲や価値観はそれぞれですが、「離婚貧乏」という最悪の状況を迎えないためにも人生の設計図はしっかりと作らなければなりません。

何歳からでも間に合う初めての投資術 - 銀行預金しかないあなたのための -

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佐藤 健太

ワニブックス

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