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借金や利息について調べていると「利息制限法」という言葉を耳にすることがあります。一体どのような法律で、借金や利息にどのような影響があるものなのでしょうか。本稿では、岡山県司法書士会の立山慶之司法書士監修のもと、利息制限法の概要や直近の改正点、利息の計算方法などについてわかりやすく解説します。

みなし弁済

みなし弁済とは、旧貸金業規制法にあった制度の1つで、上限金利を超えた利息を受領していても、貸金業者が一定要件を満たしていれば有効となってしまう制度です。

 

みなし弁済が有効となる要件としては、以下が挙げられます(順不同)。

 

1. 貸金業登録されている貸金業者である

2. 貸し付けをする際に,貸金業規制法17条で定めた要件を満たした書面を債務者へ交付している

3. 返済を受け取った際に,貸金業規制法18条で定めた要件を満たした書面をただちに債務者へ交付している

4. 債務者が「利息の支払いである」と認識して契約に定めた利息を支払っている

5. 債務者の任意で契約に定めた利息を支払っている

 

みなし弁済は現在では撤廃されており、新たな契約でみなし弁済のリスクを考える必要はありません。また、過去の裁判事例からも、よほどのことがない限り、みなし弁済が適用されるケースは少ないと考えてよいでしょう。

 

しかし、貸金業者の中には過払い金請求を行った際にみなし弁済を持ち出してきて、上限金利を超えた利息であっても有効であると主張される場合があるので注意が必要です。

 

ケースによっては、みなし弁済が認められる可能性もゼロではないため、不安な場合は専門家へ相談するようにしましょう。

 

カードのショッピング利用

カード会社に対しても、要件を満たしていれば過払い金請求をすることが可能です。

 

しかし、ショッピング利用分については過払い金請求の対象とはなりません。過払い請求ができるのはキャッシングなど、現金を借り入れた場合に限られます。過去にショッピングのリボルビング払いや分割払いなどで高額な手数料を払っていても、過払い利息と認められない点は注意しましょう。

 

また、キャッシングで過払いが認められる場合でも、同じカード会社でショッピング利用をしている場合、過払い金はショッピング利用した金額と相殺されることも覚えておくとよいでしょう。

 

例えば、過去のキャッシング返済で5万円の過払い金が判明した場合、もし3万円のショッピング利用があれば相殺され、残りの2万円のみ返還を受けることが可能となります。

過払い金請求以外にもある! 借金を大幅に減額できる債務整理とは?

過払い金請求以外にも、借金を大幅に減免できる債務整理には以下のようなものがあります。

 

任意整理:複数の借入先と交渉して行う債務整理です。利息の減免や月々の支払い額変更、返済期間の延長などについて、裁判所を通さず交渉します。

 

個人再生:返済意思がある場合に、借金の総額を最大5分の1まで減額し、3年間で完済する方法です。裁判所を通して申請し、一部財産を残したまま債務整理することが可能です。

 

自己破産:借金返済が困難な場合に、裁判所を通して借金を全額免除してもらう方法です。借金の支払いが免除される代わりに、持ち家などの財産は失うこととなります。

 

「過払い金請求の対象ではないが返済が苦しい」「持ち家を失わずに返済を軽くしたい」といった場合には、過払い金請求以外の債務整理が選択できる可能性もあるのです。

債務整理で迷ったら専門家へ相談を

自身の借金が過払い金請求に該当するかわからない場合はもちろん、該当しない場合でも債務整理が検討できる場合があるため、借金返済で迷ったらまずは専門家へ相談してみましょう。

 

 

立山 慶之

岡山県司法書士会

司法書士

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