子どもの頃、ミドリガメやザリガニを捕ってきてそのままペットとして飼ったという経験をした人も多いでしょう。しかしそんなお馴染みの生きものを飼うときに、細心の注意を払わなければ、罰金刑の対象になることも。みていきましょう。

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    日本全国に分布する「お馴染みの生きもの」だが…

    アカミミガメは1950年代後半からペットとして輸入され、1990年代半ばには年間100万匹が輸入されていました。子ガメを「ミドリガメ」の通称でペットとして飼育されていた個体が野外に放たれ捨てられたりして、北海道から沖縄まで全都道府県で分布するようになってしまいました。

     

    アカミミガメは、日光浴の場所や食物などをめぐって在来のカメ類との間で競合が生じて、在来カメ類に悪影響を及ぼします。また、食性が多岐にわたるため、地域の生態系に大きな影響を与えると考えられています。

     

    アメリカザリガニは昭和2年、27匹がウシガエルの養殖のための餌として輸入されました。しかし、養殖池のアメリカザリガニが逃げ出し、徐々に野外に広がり、売れなかった個体が捨てられたり、人の手で運ばれ放流されたりした結果、今では47都道府県すべてに広く定着し、水生植物を消失させたり水生昆虫の局所的な絶滅を引き起こしています。

     

    また、ザリガニペストや白斑病などを保菌し、ニホンザリガニを含む在来甲殻類に大きな影響を与える可能性があります。 

     

    環境省では、さまざまな動画や普及啓発資料で、どのような理由であっても野外に放したり逃がしたりすることは違法で、寿命を迎えるまで終生責任を持って飼い続けること、どうしても飼い続けることが出来なくなった場合は、自分で譲渡先、引取り先を見つける必要があることを訴えています。

    10年ぶりの「日本のカメ」全国一斉市民調査が始まる

    日本自然保護協会が2003年、2013年に市民参加で行った「自然しらべ」のカメの調査では、全国で観察されるカメの約6割がアカミミガメであることが分かりました。

     

    今年2023年も9月まで、10年ぶりに「日本のカメ一斉調査」の全国市民調査が行われています。この調査は、スマートフォンで使える生きものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」をインストールすれば、誰でも参加することができます。

     

     

     

    外来のカメが増える一方で、在来のカメは数を減らしています。全国から情報が集まれば、日本の自然の健康診断となります。

     

    この夏は、身近な水辺や旅先でカメの姿を見かけたら、アプリを使って「日本のカメ一斉調査」に参加してみてはいかがでしょうか。

     

    自然とのふれあい体験は成長期の子どもたちにも大切な経験になりますが、野外で見つけたアカミミガメとアメリカザリガニは終生飼うことができるかどうか、慎重に検討して安易に持ち帰らないようにしましょう。

     

    特にアカミミガメの寿命は20~30年と言われ、成長すると甲羅の部分だけで20~30㎝の大きさになる生きものです。大型の水槽や飼育スペースが必要となり、大型水槽の水替え、日光浴などの世話をずっと続けられるかどうかしっかり家族で検討し、迷いや心配があれば、飼わないことを決断することも大切です。

     

    参考:

    ●日本の淡水に暮らすカメ6種の見分け方のポイント

    https://www.nacsj.or.jp/shirabe/2023/06/36219/

     

    アカミミガメを野外に放さないで! ダメゼッタイ!

    ●規制の詳しい内容は、環境省「日本の外来種対策」サイトをご覧ください。

    https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html

     

    ●環境省アメリカザリガニ・アカミミガメ相談ダイヤル

    Tel:0570-013-110(9:00~17:00 12/29~1/3を除く、通話料は発信者負担)

     

    公益財団法人 日本自然保護協会(NACS-J)

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