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債務整理の方法には、「任意整理」「特定調停」「自己破産」「個人再生」の4種類があることを知っていますか? それぞれの手続きの方法やメリット・デメリットがわかれば、どの手続きがベストかの判断がしやすくなります。本連載は、司法書士法人みどり法務事務所が運営するコラム『スマサポ』から一部編集してお届け。本稿では、4種類の債務整理の流れ、メリット・デメリットについて解説します。

特定調停とは

特定調停とは、簡単に言うと裁判所を利用して、裁判所の調停委員と債権者との3者で利息のカットや長期分割などの和解を行う手続きです。

 

個人で行う任意整理と考えるとわかりやすいかもしれないです。

 

特定調停のメリット

・自分で手続きをするため、任意整理と比較して費用がほとんどかからない。

 

・調停委員が間に入るので、ある程度妥当な返済計画で和解することができる。ただし、任意整理と違い、代理人ではないので、債権者の意向も反映される場合がある。

 

・督促が一定の間停止する。任意整理の場合は司法書士が介入中は督促が停止するのに対して、特定調停の場合は、調停が終了するまでの期間となる。

 

特定調停のデメリット

・裁判所に調停の申し立てを行うので、申し立て書類の作成が簡単ではない。

 

・督促を止めるまでに時間がかかる。裁判所に申し立てを提出して受理された後になるため、任意整理と違い即日というわけにはいかない。

 

・裁判所での調停のため、平日の日中に裁判所に行かなければならず、場合によっては仕事を休む必要がある。

 

・特定調停に応じない業者があるため、無駄足になる可能性がある。

 

特定調停の手続きの流れ

■1.特定調停の申し立て先

特定調停を開始するには、まず担当の簡易裁判所への申立てが必要です。担当の簡易裁判所は、相手方の住所、居所、営業所又は事務所の所在地のある地区を受け持つ簡易裁判所です。申立ては書面によって行わなければならないため、申立書を作成するところから始まります。

 

■2.特定調停の申し立て書類の作成

特定調停を申立てる裁判所が決まったら、そこで申立書のひな形を受け取り、申立書を記入していきます。

 

■3.特定調停の申し立て

特定調停の申立書類一式が完成したら、担当の簡易裁判所に提出します。このとき、申立手数料と予納郵便切手も一緒に提出しなければなりません

 

そのほか、調停委員への参考資料として、家計の様子がわかるメモ・給与明細書・源泉徴収票・税金の確定申告書など収入や支出がわかるものが必要になります。申立が認められると、裁判所から相手方(債権者)に申立書のコピーが郵送されます

 

■4.事情聴取期日

調整期日の前に調停の準備のための期日があり、調停委員に家計や収入などを加味した返済能力などを詳しく説明し、調停で解決可能かどうか判断してもらいます。この期日には、相手方は参加しません。

 

■5.調整期日

調整期日の話し合いは調停委員が間に入って行い、相手方と直接交渉することはありません。事情聴取期日の内容を整理して、相手方の意見も聞きながら返済額等を調整します。

 

■6.調停成立と不成立

申立人の希望と相手方の希望が一致すればそこで調停成立となり、あとはその合意に沿って返済を行っていくことになります。

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