(※写真はイメージです/PIXTA)

たとえ高所得であっても、年金の正しい知識を持ち合わせていなかったために「老後貧困」に陥るケースは少なくないと、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役の山中伸枝FPはいいます。長年インテリア雑貨などの販売業を営んでいた田畑夫妻(仮名)。ピーク時は年商億超えも、夫の健二さんが「今となっては後悔しかありません」と力なくつぶやくワケを、山中FPが解説します。

2人を襲ったさらなる悲劇…君子さんに“がん”が発覚

そのようななか、さらなる悲劇が。なんと、君子さんにがんが見つかったのです。こうした状況が重なり、健二さんは「そろそろ完全リタイアをしたい」と考えるようになりました。幸い君子さんの状態はまだあまり悪くはないため、できれば今のうちに、以前のように海外旅行を楽しみたいと考えているそうです。

 

しかし、問題は「日々の生活費」です。これまで国民年金しか加入してこなかった田畑夫妻は、厚生年金がないため年金がごく少額しかありません。さらに、「年金なんてあてにならない」と保険料を未納していた期間も長いのです。

 

具体的には、年金保険料をきちんと納めるようになったのは健二さんが50歳、君子さんが45歳の頃です。それぞれ60歳まで年金保険料を支払うことで、老齢年金の受給資格である10年の加入期間を満たしましたが、それでも年金額が少ないので65歳まで任意加入を行いました。保険料払込の手続きをする際に役所で「付加年金」の話を聞けたのは不幸中の幸いだったと思います。

 

付加年金とは、月々400円を国民年金保険料に上乗せして払うと将来的に200円×保険料支払期間で計算した「付加年金」が上乗せされる仕組みです。健二さん、君子さん、おふたりとも任意加入期間も継続しました。

 

それぞれの年金内訳は以下のようになっています。

 

健二さん…老齢基礎年金29万8,000円+付加年金3万6,000円=合計33万4,000円

 

70歳まで繰下げ待機中なので、これから受け取ると1.42倍の約47万円が受給額です。

 

君子さん…老齢基礎年金39万7,500円+付加年金4万8,000円=合計44万5,500円

 

健二さんより年齢が若い分、保険料の支払期間が長く、結果的に年金額が多くなっていますが、病気のこともあり繰下げせずに年金受給する予定です。

 

2人合わせると年金の年間受取額は91万円ほどになりますが、月にならすと7.6万円の収入ですから、これだけで生活はまかなえません。

 

「若い時は、貯金もせず売上は全部使ってしまうような生活をしていました。当然国の年金制度を理解しようなんて頭もなく来てしまって、今となっては後悔しかありません」と、夫婦そろって肩をおとします。

 

しかしこれからの生活もまだまだ続きます。ここはしっかりと生活を立て直す必要があります。

 

 

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※プライバシー保護の観点から、実際の相談者および相談内容を一部変更しています。

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