居場所がなくても幸福と思える生き方とは?2040年には、独身者が「5割」に。だれも見たことのない、超ソロ社会が到来する。ますます個人化が進む中、私たちは家族や職場、地域以外に、誰と、どこで、どうつながれば、幸福度を高められるのか?また、親として、人生の先輩として、これからその時代を生きる子どもたちに何を伝えられるのか?ソロ社会及び独身生活社研究の第一人者、荒川和久氏の著作『「居場所がない」人たち』から一部抜粋してお送りします。

「微笑みのうつ病」とは

正式な医学用語ではないが「微笑みのうつ病ーsmiling depression」という症状がある。

 

「社会順応型境界性パーソナリティ障害」というべき症状で、「ベッドから起き上がれない・何もしようと思わない」というような通常のイメージのうつの症状とは大きく違う。

 

毎日、職場に行けるし、そこでは元気な従業員として振る舞うこともできる。同僚とランチを楽しんだり、週末遊ぶ計画を立てて盛り上がれるのだが、その間も心ここに在らずといった空虚感を覚えてしまうのだ。

 

仕事はキチンとこなすのだが、家に帰ると異常な疲労感に襲われてしまったりする。

 

読者の中にも心当たりがある人もいるのではないだろうか。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

その蓄積により、いつしか心に深刻なダメージを受けてしまうのだが、周囲の人はまったく気付かない。

 

なぜならば、いつもみんなと一緒に楽しそうに過ごしているからである。

 

「微笑みのうつ病」になってしまう人ほど、みんなとの協調性を大事にしようとするし、いつも相手の事を考えて行動しようともするし、不機嫌な顔などしてはいけないという強迫観念にとらわれている。そんな無理してまで、「みんなと一緒」にいる自分を演じるから心が壊されてしまうのだ。

 

これこそ「群れという病」といってもいいのではないかとも思う。

「居場所がない」人たち

「居場所がない」人たち

荒川 和久

小学館

居場所がなくても幸福と思える生き方とは? 2040年には、独身者が5割に。だれも見たことのない、超ソロ社会が到来する。 ますます個人化が進む中、私たちは家族や職場、地域以外に、誰と、どこで、どうつながれば、幸福度を…

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