「上手に𠮟る自信がない」「パワハラだと思われるのが怖い…」→リーダーが“叱る前”にすべき適切な対処法【アンガーマネジメント協会理事の助言】

「上手に𠮟る自信がない」「パワハラだと思われるのが怖い…」→リーダーが“叱る前”にすべき適切な対処法【アンガーマネジメント協会理事の助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「怒り」は、なかなかコントロールできない感情のひとつ。だからこそ、多くの人が悩み、毎日しんどい思いをしています。「怒り」は、老若男女を問わず誰もが持ち合わせている感情。その感情の正体を知ることで、他人にも、そして自分自身にも振り回されなくなります。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏が、著書『怒らない100の習慣』を基に解説します。

違う意見をいったん受けとめる

人とおつき合いしている以上、自分の意見が通らないことや、相手と意見が違うことは多々あります。

 

ただ、強い口調で言い返されたり、「それはおかしい!」「そんなやり方は失敗するに決まっている!」「こちらの考えでやるべき!」といった否定的な言い方をされたりすると、カチンとくることもあるでしょう。

 

このとき避けたいのは、感情的に言い返すことです。

 

相手を論破する必要はありません。自分の意見を理解してもらうことがゴールだということを忘れないようにしてください。

 

「◯◯の考えで進めたほうがいいということですね」といったん受けとめ、「どの点が失敗するという判断に至ったか、教えてもらえませんか?」と相手の考えを引き出す質問をしたり、相手が指摘してきたことに対しての回答を伝えたりすることに意識を向けてみてください。

 

相手がどんな言い方をしても、過剰反応しないようにしましょう。

ときには頼って、甘えて、任せてみる

「人に頼ったり、甘えたりすることは、自分の弱みを見せることになる」「人に任せてしまうと、自分の存在価値がなくなる」。

 

こんなふうに思い込み、自分のキャパシティ以上に抱え込んでイライラする人が意外と多いものです。あなたはいかがですか?

 

人の手を借りたいときには、素直に伝えてみましょう。

 

「◯◯について、教えていただけませんか?」「とても困っているので助けてほしい」「◯◯さんに手伝ってもらえると助かります」。人は正直な気持ちを打ち明けられると、その人を身近に感じて、好感を抱くようになります。

 

頼ったり頼られたりすることで、お互いに助け合える関係性を築けますし、人の力も循環していくのです。頼ることは、弱みを見せることではありません。

 

ときには、あえて人に頼ってみることで、自分で負担を抱えすぎずにすみますし、周囲でも助け合いが起こりやすくなります。

 

ぜひ口に出して、協力的な関係を築き、人の力を循環させていきましょう。

叱るときは率直に伝える

「適切な𠮟り方をされた経験がないため、どう𠮟っていいかがわからない」「経験がなく、上手に𠮟る自信がない」「相手がメンタルの不調になるのでは……と不安になる」「パワハラだと思われるのが怖い……」

 

リーダーの方々から「𠮟る」ことに対して、こういった相談を受けることが多くあります。

 

こんな気持ちを抱えていると、提出物の期限を守らない部下に対しても、「提出物の期日が過ぎているけれど……、いつまでだったらできる?」と、相手の様子をうかがうような言い方をしてしまうのではないでしょうか。

 

 

𠮟らなければいけない場面では、率直に伝えましょう。

 

たとえば、「約束した期限は守ってほしいんだ。次の仕事を引き継ぐ人の進行にも影響するからね」と具体的に言うと、伝わりやすくなります。

 

𠮟る前に、一番伝えたいことはなんなのかを浮き彫りにし、大事なことをひとつに絞って言葉にするようにしましょう。

怒らない100の習慣

怒らない100の習慣

戸田 久実

WAVE出版

怒りに振り回されていると気づいたら試してほしい、 シンプルなのに効果的な100のこと! ・瞬間的に沸騰する怒り ・時間が経つにつれてフツフツと増殖してくる怒り ・いつまでも引きずってしまう怒り ・他人から伝染され…

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